交流の肖像

2010年10月24日 (日)

ば化粧師レイコ・クルク

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「ば化粧師」というご本が12月初旬にリトルモア社から発売されます。
パリを拠点に「変身術」をあやつり40年。映画、舞台、オペラと世界を駆ける
日本人がいる。レイコ・クルック。そのめくるめくる冒険談!(帯より)
この本は、特殊メイキャップの先駆けレイコ・クルックさんの自叙伝です。
代表作は。。。きっと、みなさんもいちどは目にされたことがあるのでは?
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そして、このご本の出版に先立ち、記念パーティが、代官山の
メゾン・ポール・ボキューズで開かれました。女優の原田美恵子さんも
ごあいさつされたり。。。。映画関係者いっぱい、100名ぐらいの出席?
のとても華やかなパーティでした。
わたしは、レイコさんとはパリでお食事をご一緒させていただいただけ。。。。
なのに、ふしぎなことに???メールを頂戴し(びっくり!)招待され、
末席をよごしてきました(苦笑)
レイコさんは、お写真でわかるように、実にエレガント「かっこいい女(ひと)」
で、ほれぼれしてしまいました。
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右がレイコさんを紹介してくれた映像プロダクションPhスタジオの近藤さちこ氏

パーティの帰り、ご本を頂戴して、さっそく拝読!
レイコさん、陽のあたる道だけをするすると歩いてきた人ではないのですね。
生まれは長崎。爆心地から20キロ離れていたとはいえ、被災者です。
終戦のとき10歳だったとあります。それから「民主主義!」という価値観の
大変革の中、多感で負けず嫌いな女の子は、まるでサーファのように 時代の
波と格闘していきます。ラジオから、テレビへ。テレビ局から化粧品会社へ。
日本から、パリへ。そのあいだに、同棲、別れ、結婚出産、離婚。。。貧乏は
くりかえしやってくる。読んでいるだけで、目がくるくる してしまうばかりです。
そして、念願だった映画の仕事についた彼女ですが、はじめたばかりのころは
フランス映画界における資格をもっていなかった上に、日本人でしたので、
同業の方たちからはずいぶんとうとまれたようです。
でも、そんなものは、み~んな乗り越えてしまったのね。
読み終えて、感銘を受けたのは、自分の美意識にただただ真っ正直に生き抜いた
姿勢です。「だって、やってみたいのだもの」「これが美しいと思うのだもの」を
押し通すのは大変なことです。その裏打ちに、彼女は新しいメイクの研究をひたすら
重ねながら、技術を磨いていきます。一流の映画監督、俳優さんたちを説得して、
「証明」していくのですもの。戦いの連続だったでしょうね。彼女は「戦士」です。

己の仕事に真摯に戦いぬいてきたという「誇り」が、彼女をこんなに「かっこよく」
見せるのだろうなぁ。
他人の顔にちがう人格をつくり、ファンタスティックな物語へといざなってきた。。。
魔法使いのような彼女。
でも、彼女の心は「すっぴん」なのです。「ほんとうの贅沢な生き方」ってこうした
ことなんだろうなぁ。
パーティで飲ませてもらったシャンパンよりも、レイコ・クルックという戦士に会えたこと。
それが、わたしにはいちばんの「贅沢」となったパーティでした。
少しでも見習って行こうと思います。
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レイコさんの似顔絵?を描いてみました♪

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2010年6月20日 (日)

薄墨の川をゆく女(ひと)

先日、書家の寺本一川(いっせん)先生の書道教室(東京神楽坂)を
見学いたしました。
一川先生は、五行歌の歌人でもいらして「透理」という
歌集も出版されている方です。
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この書道教室「墨あそびしま書」には、やはり歌人の村瀬杜詩夫先生も
通われています。ご自身の歌を書にしたくて、習われているそうです。
この日もこちらをお手本に粛々と書いておいででした。
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草払う 鎌一閃の 下に余花

この歌は余花を「白」と想像すれば、鎌のするどい「動」のあと
清らかな「静」が浮かび上がって、涼しい風でも吹いてきそうな
美しい歌だと思うのですが、
絵としては鮮明に映えるのは、「赤」です。
そこで「赤」をおいてみたのですが、すると、「鎌一閃」の句が
よりするどくなりました。赤い花は、どこかなまなましく哀しい。
なんだか、何事か成し遂げるための一閃の「犠牲」みたいです。
村瀬先生は、どちらを思って歌ったのかしら???
こんど、お会いしたら、聞いてみようと思います。

あっ。。話をもどします。寺本一川先生のことです。
たおやかで、美しい人です。わたしにも、おっとりやさしく
話してくださいますが、それは、彼女の薄い皮膚です。
皮膚にくるまれた彼女のからだには、鋭敏な感性が
なみなみとたゆっていて、皮膚をやぶって、
あふれてきそうなカンジがしました。
一川先生の代表作の歌はこちらです。
Issen3
うぬぬ。。。強烈です。まず、からだを土と捉えた感性に驚かされますが、
そこに「わたくしという花」を咲かせきってみせましょうぞ!
と言い切っています。
彼女の精神は、お名前のごとく、川の一直線なのでしょう。
「わたくしという芸術」をたったひとりで創造していくのです。
ときには、急流。ときにはゆったりとした流れ。のなか
流されるのではなく、花であるのに、泳いでいくような人に思えました。

来月から、この先生の書道教室に通ってみようと思っているのですが、
ぼんやりしている自分が、恥ずかしく、あきれられはしないかと
心配で、ちと、緊張しています。
ついてゆけるかしら??

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2010年6月12日 (土)

まんが「りんごちゃんものがたり」

さて、本日は以前「りんごちゃんのおちゃめなパパ」でご紹介しました
シンガーソングライターの平井敬人くんのお話です。
彼の歌に「りんご」という曲があります。
これは、彼の作った「りんごちゃん」というキャラクターの
女の子に贈るラブソングです。
はてさて?そもそも。。。
りんごちゃんって、どんな女の子なのでしょう?
どんな背景をもっているのでしょう?
このたび、ぷりんは、りんごちゃんの遠縁のおばのような気持ちで、
この女の子にまつわるまんがを書いてみました。
1
りんごちゃんは、わずか5歳にして「世界中の美男子をはべらしたい」
という途方もない野望をいだきました。
2_2
そのために、とても口にはできないような?修行を積み、
「りんごちゃんダンス」を修得しました。
3
「りんごちゃんダンス」。。それは、どんな美男子でもとりこにしてしまう
不思議なオーラを発する魔法のダンスです。

しかし!このダンスには大きな問題点がありました。
確かにりんごちゃんダンスを見た美男子たちは、たちまち
りんごちゃんに夢中になるものの。。。
同時に骨抜きにされ「ふにゃおくん」という軟体動物?のような男の子に
変化してしまうのです。
踊っても、踊っても、美男子たちは「ふにゃおくん」になるばかり。
4
ついには、こんなことに。。。
5 
ああ、理不尽!まるで、カフカの世界です。
これでは、何のための「りんごちゃんダンス」なのか?
だって、はべらしたいのは、「美男子」であって、決して決して、
「ふにゃお」なんかじゃないんだもの。
かわいそうなりんごちゃん。とりあえず、ともかくも、
持ち前のパワーでふにゃおくんを一掃します。
そのパワーとは。。。
1.りんご魂アッパー
2.りんごむきタイフーン
3.りんご芯ドリル
4.りんご果肉ボム

さて、どれを使うのかしら?
Photoりんごちゃん、教えてくださいな。
Photo_2 や!

Photo_3 。。。。。。
では、この続きは、りんごちゃんのパパに聞いてみましょうね。

ぼくが、りんごちゃんのパパです~!
Hirai_2

Photo_4。。。。。。。
りんごちゃんのパパ、6月15日(火)にライブ、やるんだってねぇ。
がんばってね。
Photo_5 べーっだ!

くわしいライブ情報は、平井敬人くんのホームページで! 

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2009年11月 2日 (月)

「りんごちゃん」のおちゃめなパパ

みなちゃま あたしは だぁれ?だれでしょう?
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あたしは、「りんごちゃん」5歳の女の子よ。かわいいでしょ。
趣味は「誘惑」。。。ちょっと、おしゃまで、ちょっと凶暴なの。
今日は、あたしを描いてくれたパパのことを紹介するわ。
パパはね、あたしのことを
♪りんご 君の顔が すごくすごくすごくすごくすごくすごくすごく
好きだ~♪笑ったりしたら、他は 相手じゃないんだ~♪

と歌ってくれるの。シンガーソングライターなのよ。
それで、このあいだ、いつものように ライブハウスで パパが
歌っていたそのときよ。。
着物姿のおばさんが はいってきたの。「ぷりん」って名前らしいわ。
「りんご」と「ぷりん」。。。なんだか「や!」なカンジ。
一瞬絡みあった視線。「おやつ対決!」の火花が」とんだわ。
このおばはん、パパとどういう関係なのかしらっん!?
Photo_2
Photo_3さて、私ぷりんは、先日 この年になって はじめて ライブハウスと
いうものに行ってまいりました。「歌会」でお知り合いになった
「平井敬人(たかひと)」くんの歌を聴きにいったのです。
平井くんは、作詞作曲、編曲のほか自作自演のCMをつくっている若者です。
私はこの世界のことは よくわからないのですが、「りんごちゃん」に
ひとめぼれ!とにかく、聞いてみたくて、場違いを乗り越え、決死の出陣!
。。。。結果、とても楽しかったわ♪
「素直」だったり、「おちゃめ」だったり、「少しせつない」歌のさまざまが
少し鼻にかかった甘い声で歌われて、心地よかったです。
歌のあいだにはいってくる「ほんわかトーク」も楽しくて、すっかり
彼のファンになりました。
彼の歌は、同世代の若者にむけてのメッセージなのでしょうが、
私でも楽しめたのは、どこか なつかしい感じがするからです。
そうそう「カルピスの味」です。
Photo_14
Photo_4 あら、このおばさん、案外わかっているみたいね。
パパはあたしたち子どものアイドルになれると思うわ。
パパのHPでわたしが踊りまくっているアニメを見てね。
幼稚園のお友達に大ウケなのよ。
Photo_5 そういえば、「花ぱーちー」では、パパも踊りまくっていたわね。
しかも、恋の幸薄い乙女の役で。おばさん、笑って笑ってしまったわ。
Photo_15
Photo_7でも、ほんとうのパパは、純情で恥ずかしがりやさんなの。
今風のイケメンじゃないのね。だから、しょっちゅう女の子にふられているの。
そのショックで、かぜをひいたりしながら、失恋の歌を鼻声でうなったり
するの。くすん。。かわいそう。。。
Photo_9 ふ~ん。じゃあ、おばさんが 仲良くしてあげようか?
Photo_10(絶句)。。。いーっだ!
Photo_11
平井敬人公式サイトはこちらです!「映像を見る」はとくにおすすめ!
Photo_12  わたしも、彼のCM にでてみたいわぁ。おかあさんとか、
おばあさんとかの役でね、柱の影から「敬人、がんばって!」と
うるうるするの。
Photo_13おことわりっよ!
Photo_16ちょっぴりおすましの平井くん♪ 

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2009年10月13日 (火)

月を愛する映像師

彼は、桜を愛する。月を愛する。
そしてそのふたつがもつ「せつなさ」に「同化」してしまうような人だ。
映像作家「柴山知久」と知り合ったのは
もう5年ぐらい前だけど、その笑顔が、少し泣いたように
見えるのは、今もかわらない。
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彼とは、「民話」や「童謡」をはじめ、「中原中也」も作った。
東京大空襲を題材にした「平和絵本」も作った。
わたしの絵のほとんどを、彼が映像におとしこんでくれている。
ずっと、一緒にやってきたけれど、叱られたことがない。。。
いつもやさしい人だ。

されど、彼本来の個性は、こちらのDVDに集約されていると
思う。
Photo_2
彼が実は、秘めている 「情念」を「月」に映しこんだような作品だ。
しめやかだった月が、あるとき 生き物のように呼吸をする。
清らかだった光が あるとき 狂ったように笑う。
その声は、なまめくときもあれば、絶望に暴れるときもある。
彼のなかの情念が、まるで糸車のように ぐるぐる、ぐるぐる
まわっている。。。そんな映像だ。
私は、はじめてこれを見たとき、彼の心の叫びが 乗り移ってくるようで
つらくなってしまったのだけど、 それでも惹かれたのは、
そこに「品」があるから。。。美しいです。

さて、今回の公演「浮世絵でつむぐ江戸物語」では、このDVDの中から
華やかな部分をぬきだして、オープニングといたします。
Photo_3
こちらに、私の絵も加えて 江戸を表現します。
Photo_4
どんなふうになるのかしら???
それは、彼の頭のなか。。。

さて、月を愛してきた彼ですが、今、彼の心には もっと愛してやまない
月が映っています。
この月は、これからの 彼の作風に どんな光をさすのでしょう?
Ryoga
愛息「涼月(りょうが」くん。まだ、ふたっちゅです。

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2009年9月20日 (日)

鼓を打つおひなさま

その日 はじめて小鼓というものを まじかで見ました。
胴は漆塗りに蒔絵。乱れ菊かしら?きらきらと みやびです。
ふたつの皮が 赤い麻ひもで あやとりのように つながっています。
砂時計式変わり玉手箱といったカンジ。なんとも かわいらしいです。

見せてくださったのは、堅田喜三代さん。
「浮世絵でつむぐ江戸物語」の舞台で、鼓の演奏を披露される方です。
わたしが 鼓を打つデッサンができず困っていたところ、
モデルになりましょう、とわざわざ我が家まで いらしてくださいました。
そのため、髪も日本髪。ひとえまぶたに富士額。
まるで、おひなさまのようなお顔立ちの方です。
でも、鼓をかまえると、とたん凛として、まわりの空気まで、ひきしまるみたい。
ポーズをとっていただいて、右から、左からとクロッキー。
前から、後ろからもと、5~6枚クロッキー。
Photo
こちらただいま製作中
お聞ききすれば、「堅田流」という囃子方、鳴り物のおうちの生まれだそうで、
おじいさまの代から、お父様、おじ様と、みなさん、松竹劇団新派の音響に
たずさわってこられたとか。演奏のほかに 邦楽の音とその効果と演出?。。。
といってもピンとこないのですが、ゆうれいがでるとき、
「ひゅ~どろどろ」と音がはいりますね。
あの、効果音をもっと幅広くしたようなもののようです。
ラジオでたとえると、効果音(波のざざざっ。。。)は、行李に小豆をいれて
つくったりしますが、それを鼓やらお三味線やらで音づくりをして
舞台をもりあげるのです。
それだけでなく、時には、宮鈴を鳴らしたり、
うちわに そろばん玉やビーズをつけて 雨の音をつくったりもなさるとか。。

ですから、これまで堅田流名取として、さまざまな舞台に立たれてきました。
今はまさに、大阪松竹座で藤山直美主演の「はなのお六」。
また女性邦楽家グループ「綾色箱」の演奏会。
サッチャー前首相の前でも、演奏。。。
はぁ~、ここまで書いてきて、ため息です。
わたしはふつうのサラリーマンの家の娘。家の格のあまりのちがいに
困ってしまいましたが、ご本人はお優しく、いたって気さくに
お話くださいます。
「ほんとうにお育ちのよい」というのは、こういうことかも知れません。
とはいえ、ご苦労のそれなりにあるようす。

まずそれは、女に生まれてきてしまったこと。
なにしろ伝統芸能の世界ですから、女ははみだされてしまいます。
歌舞伎、能、文楽。。。なるほど、「芸」は「男の世界」です。
昔から、鼓や琴、笛などの芸事は、お姫様にとってあくまでも「たしなみ」
であって、それを「生業」にするのは「芸者」や「白拍子」である。
といった感覚が現存しているようです。
おすもうでたとえれば、「女が土俵にあがるのと、土俵が穢れる」といった
ことでしょう。ですから、喜三代さんは、おじいさまやお父様のように
歌舞伎座の舞台には、あがれません。
それが「格式」なのかもしれませんが、実力とは関係ないこと。
ご本人としては、はがゆい思いもされることもあるでしょう。

さて、今回の公演では、鼓とピアノのコラボ演奏もあります。
まるで、ジャズのようにアドリブの応酬がはいってくるとか???
どんなものなのか?わたしも聞いたことがないので 想像ができません。
これからの舞台稽古の見学が楽しみです。
Photo_3
堅田喜三代ブログ ジャニーズ、韓流ファン必見!
喜三代さんが、ちょっこっと鼓を打ってみてくださいました。
たーちぽんぽ、たーちたたた、ぽぽっんぽぽっん、ぽぉぉん
響くこと、響くこと!狭い我が家がふるえています。
すてき!すてき!です。

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2009年7月13日 (月)

京都先斗町の小鹿さん

今年二月の終わり、京都へ行った。
天神さんの名で親しまれている
北野天満宮で梅を見た。まさに盛りのとき。
紅梅、白梅、八重、しだれと、鈴なりの見物客の顔を
かくすように競って咲いている。
どうしたものか、春のようにあたたかく、
羽織すらいらない日和であった。

その夜、先斗町へ呑みに行く。
飲み屋さんいっぱいの 細い細い小道の
奥の奥にある「上燗や」は、小さな小さなお店だ。

わたしは ひとり。熱燗を呑む。
しばらくして ひとつへだてた席に 彼女がすわった。
彼女も ひとり。熱燗を呑む。
いい年した女がふたり ひとりぼっちで お酒を呑んでいる。
なんとなく話でもしたくなるのが 情けというもの。
どちらからともなく 世間話。

思えば不思議な縁だった。別れ際に 名刺交換。
クリエイティブディレクターであった。
ペンネームは「段ノ滝 棗(ナツメ)」。愛称は「なつめハン」。

その後、晴海のフェスティバルで、彼女がディレクションした
キャラクターが登場する「花フェアリー」を見たり、
吉岡徳仁先生ディレクションのカルティエ展を見たり。。
そして、神楽坂で呑んだり、新宿で呑んだり。。。

色白のなつめハンには、日本酒がよく似合う。
なで肩に長めの首が、ふらりとしてきた頭をささえている。
涙袋の大きな目が二重にも三重にもなってきた。、
たいそう重たそうな目だ。目が重いので、眉が下がる。

泣き眉をいっそう八の字にして、彼女はいうのである。
「わたしはね、人と人を結ぶ人間になりたいの。
今ね、どれだけ才能あるクリエーターが、日の目を見ずに
終わっていると思う?わたし、それはいけないことだと思うの。
人と人をつむいで、才能が本来あるべき場所に きちんと
座れるような、そんな仕組みづくりをしたいの」
さかずき片手に彼女の弁は続く。
「おねえさん!(わたしのことらしい)
おねえさんの絵を見て、わたし、ぞくっときたの。
でもね、おねえさんのこと、世の中の人、知らないの。
おねえさんの世界観を みんなに知らせるのも、
クリエーターの「務め」です!」

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こうして、わたしは ブログをはじめたのである。
ちなみに「ぷりん茶屋」と命名したのは、彼女。
つまり、なつめハンは、本ブログの「名付け親」なのである。

プランナー、クリエイティブプロデューサーもかねる彼女は
スポンサーと、メデイアのあいだを、京都と江戸のあいだを
飛び回っている。そのさまは「小鹿」のようである。

さぞ、忙しいのであろう、会うときはいつも移動中。
華奢なからだで、旅行バックをガラガラ引きずっている。
わたしは、ほっそりとしたうなじからつながる彼女の頭をみる。
頭には、大きな角がはえている。
おそらく「アンテナ」という角だ。小さなからだに大きなアンテナ。

彼女の志は大きい。いったい何を聞いているのだろう。
利益というビジネスのなかで、彼女のアンテナは
もひとつ、高いところを傍受したがっている。

彼女と私のつきあいはこれからだ。
志、同じくしたいものだが、それができるかは
わたしの才能が決めてくれるだろう。
もいちど、天神さんに 祈ってみましょうか?

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2009年7月 9日 (木)

イタリアの赤うさぎさん

朝の光がさしこんで、彼女はカーテンを開ける。
そして、広がるこんな景色。
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ここはイタリアのペルージャ。
彼女はここに住んで15年になるという
「牧田あゆみ」さんという絵描きさんだ。

私が彼女を知ったのは、つい先日のこと。
検索していると、こんな雑誌を見つけた。
6_2 にほんご6月号
私はこのコウモリの絵に とても惹かれてしまった。
キャラクターのシニカルなかわいらしさ。
麻の葉紋様との組み合わせの不思議さ。
しぼりこんだ色彩のなかで空間が見える。

そこで、たどっていくと、彼女のブログを見つけた。
HPも見つけた。
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Photo_6 
赤の美しい絵である。
イタリアの展覧会には不案内であるが、
どちらもコンクールでの入選作品。
すばらしいので、思わず、コメントをつけると、
お返事をくださった。
彼女もそうそうに私のHPを見てくださったという。
「リンクをしましょう」とのお話。
とても嬉しかった。

私が彼女の絵に惹かれるのは、なぜだろう?
それはおそらく、彼女の絵の中にあるファンタジーが
決して甘くない、「ファンタジーの裏側を見ている絵」
だからだと思う。知的な絵だと思う。

私が「枕草子」の絵本や映像化をやってみたいと
申したら、彼女もとても興味があるとのお返事。
以前コンクールに出品した作品をテンプして
送ってくださった。
この絵も地元ペルージャで、システム手帳の
表紙になるそうだ。
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「縁のふしぎさ」を感じる、彼女との出会い。
大事にしたいと思う。
これが仕事につながるのか、海のものとも
山のものとも、わからないものの
何かが、ゆっくり動き出したように思う。

いつか、わたしも写真の風景を
赤うさぎさんと見られることを祈って。。。。
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牧田あゆみblog
牧田あゆみHP

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2009年5月24日 (日)

芙蓉の花を読む人

この方にお会いすると、私はいつも

芙蓉の花を思い出す。あの夏に咲く

ハイビスカスにも似た華やかな花である。

飯島氏は朗読家。

わたしは、「平和絵本」という東京大空襲を

題材にしたお仕事でご一緒した。

朗読会にも何度か足を運んだ。

彼女はアンデルセンなどもお読みになる。

もともと、かわいらしく甘えた声なのである。

されど、わたしが好きなのは、彼女の読む

菊池寛の「藤十郎の恋」である。

藤十郎という上方歌舞伎のトップスターが、「不義密通」の

「密夫(みそかお)」を演ずることになった。

だが、その工夫がつかない。そこで、

人妻に恋を仕掛けようと、思いつくのだが。。。

~それは、恋ではなかった。それは、激しい欲情ではなかった。

そのくだりになると、彼女の声も熱をおびてくる。

藤十郎は「密夫の役」になりきるつもりで、人妻を

ひたすら、ひたすら、くどく。

~のう、お梶どの。この藤十郎の恋を あわれとはおぼさぬか?

二十年来耐え忍んできた恋を あわれとはおぼさぬか?

読み手の声が詰め寄る。藤十郎のごとく。

聞き手はすくんでふるえる。お梶のごとく。

その後、偽りの恋を仕掛けられたと知ったお梶は

己を恥じて、だまって首をくくった。

~藤十郎、芸のためには、一人や二人の女の命は。

藤十郎が 心の中でうめいた時、

読み手の顔が 染まっていた。

芙蓉の花は、朝ぼらけのうちは白く、夕方に向けてピンクに

なる不思議な花で「酔芙蓉」ともいうそうだ。

彼女はどこへゆくのだろう。

酔うように読むことを演じて、

彼女は何になるのだろう。

藤十郎は、罪のない人妻の真心を踏んで

芸をきわめていった。

彼女には、子供はいるが、夫はいない。別れたと聞く。

それは、芸のためだったのか?

真実、命を賭した恋のためだったのか?

いたずらを見つけられた子供のように 彼女が笑った。

芙蓉の花は、枯れても地面に落ちない。

花弁を茶色くしぼませて、

小さな拳のようなタネを たくさんのぞかせる。

Photo_2

飯島晶子さんのホームページとブログです

http://akikoiijima.web.infoseek.co.jp/

http://blogs.yahoo.co.jp/robanomimi_a/

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2009年5月 1日 (金)

ぽんぽん船の人

青山にある「ウィル」という

編集プロダクションの片岡氏と呑む。

お酒をご一緒するのは、

2年ぶりぐらいかも知れない。

三十代のころは、体力もあって、

よく一緒に仕事をし、よく一緒に呑んだ。

ともに手をたずさえて、

ものづくりをしている感が大きかった。

されど、年月は流れ、彼女は経営者になり、

立場もちがってきた。

片岡氏は佐渡の生まれだが、

たらい舟にのっているのは、

彼女ではなく、わたしのように思う

このごろである。

わたしは、たらい舟で、釣り糸をたれている。

彼女はぽんぽん船にのって、漁にいく。

白い波たて、ぽんぽんぽん。

沖へ沖へ、魚のむれを追ってゆく。

わたしが、一匹釣り上げたころ、

ぽんぽん船が、もどってきた。

はためく大漁旗のあいだから、

彼女が笑ってくれている。

しばし、たらい舟もぽんぽん船も

波間をゆらり、ただよって、

手柄話に、えもの自慢。

泣き言話に、病気自慢。

おいしいお酒に酔うてみる。

彼女と私は、そんな距離がここちよい。

おそらく、ずっと、この調子。

おそらく、ずっと、この調子。

Kaokataoka

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