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2012年3月24日 (土)

土佐の昔話「むらをすくった鬼」その3

海辺では、むらびとたちが おおさわぎをしていました。
たいまつをかかげ、波にさらわれた人をさがしています。
泣きながら、だれかの名前を呼んでいる人がいます。
波が、ざんぶざんぶと荒れ狂っています。
おとう鬼は、浜に子鬼をそっとおろすと、言いました。
「おまえは、ここで、待っておれ」
10
「そりゃあ、行くぞ」
さいごの力をふりしぼって、おとう鬼は、海にふみこみました。
ごごご、ごごご、ざんぶ、ざんぶ
風が、波が、沖に向かうおとう鬼に体当たりしていきます。
11
そのとき、とてつもなく大きな波が足をさらいました。
おとう鬼のからだが、ぐらっとよろけました。
12
たちまち、大波が、おとう鬼をのみこみます。
13
それっきり、おとう鬼のすがたは、見えなくなりました。
沖にかついだ岩だけが、小山のように、のこりました。
14
それからというもの、海があれても、大岩が波をとめてくれるように
なりました。
村人たちは、安心して暮らせるようになったということです。
のこされた、子鬼は、村の子供として、育てられ、
やがて山に帰っていきました。
15
村人たちは、大岩に小さなほこらを立てました。
今でも鬼のおやこは、村をまもっています。
                     (おしまい)

















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