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2012年1月19日 (木)

小泉八雲「雪女」前半

なんだか、珍しく忙しくって、久しぶりの更新になってしまいました。とほほ。
それにしても毎日、寒い日が続きますね。朝は、暖房をいれて30分ぐらいしてから、
起きるようになってしまいました。
さて、今日は、そんな季節柄なので、有名な「雪女」のお話をお届けしてみようと
思います。

むかし、武蔵の国に巳之吉という木こりがおりました。まだ、18歳の美しい若者で、
いつも茂作という年寄りの木こりについて、山で仕事をしておりました。
ある冬のことです。ふたりは、山から帰る途中、ひどい吹雪にあいました。
帰れなくなったふたりは、近くの小屋に逃げ込みました。
戸をしっかり閉じて、ごろりと横になります。
雪のしまく音は、ますます強くなって、ごうごうと山がうなりだしました。
おそろしさに震えていた巳之吉ですが、それでも、いつのまにか、眠りこんでおりました。
しばらくして、顔をたたくように雪があたったのに驚いて、巳之吉は目をさましました。
知らぬ間に戸はこじあけられていたのです。
見れば、となりで寝ている茂作の上に白い着物の女がかがみこんでいます。
そして、しきりに、ふうぅ、ふぅう、ふうぅと息をふきかけています。
その息は、白い煙のようで、茂作をつつみこむと、やがて、
からだを凍らせて、とうとう殺してしまいました。
そのとき、女がふりかえりました。
なんと、美しい顔。でも、らんらんと光る眼。
巳之吉が、声もだせず、ふるえていると、女は、こんどは
巳之吉におおいかぶさりました。
そして、ふうぅと息をふきかけ。。。が、はたと止め、
じいっと巳之吉の顔を見入りると、にっこり笑ってささやきました。
1
「わたしは、おまえのことも、こっちの年寄りのような目にあわせる
つもりだったけど、、でも、なんだか、かわいそうになったよ。
だって、おまえは、若くて、きれいなんだもの。
だから、もうわるさはしないよ。
けどね、今夜見たことは、だれにも言ってはいけないよ。
誰かに話したら、殺してしまうからね。よく覚えてお置き」
そう言うと、女はくるりと背をむけて、すうーっと小屋を出て
ゆきました。
   (つづく)

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コメント

小泉八雲ですね、、やはり 怪談は、魅力ありますね。
 楽しみです。怖いことに 人は何故か 魅かれるのですね。 今のような光の無い時代は、もっと、蝋燭で楽しめたでしょうね。

しかも 怪談は 少人数で話すのでしょうね、、。贅沢ですよね^^;

投稿: kawasemi | 2012年1月19日 (木) 19時31分

ぷりんさん、お久しぶりです。
お忙しいとのことですが、この寒さ
ますます家の中にこもっていらっしゃるのでしょうね。

小学校4年生の夏休み、
一人部屋の中にこもって、怪談を読み耽った
あの日の感覚を思い出しました。
ふうっ~背筋がゾクゾクっとしてきましたsnow

でも、あの時の挿絵の巳之吉
こんなに美しくはなく、
こども心に、妙な違和感を感じましたconfident

ぷりんさんの雪女も巳之吉も、本当に美しい
これならば、二人が恋に落ちても納得ですheart04

投稿: せりなずな | 2012年1月20日 (金) 09時56分

kawasemiさま。
怖いもの見たさってみんなどこかもってますね~。newmoon
とくに、このお話は、美人がでてくるし、virgo
切ない恋物語でもあるのでheart03
みんながスキ。
愛媛など、あったかいところにも
あるらしいです。
まさに、いろりをかこんで、しんみり~
聴いていたかもしれません。confident

投稿: ぷりん | 2012年1月20日 (金) 11時16分

cloverせりなずなさま~
お久しぶりになってしまいました。
ごめんなさい。crying
ここのところ、引きこもりではなく、積極的に
外にでかけるようにして、誘われたイベントなどに顔を
だしているので、忙しいのです。foot

そうそう、巳之吉はやっぱりハンサムlovely
でないと、このお話は成立しませんよね。。
ですので、歌舞伎役者ふうに描いてみましたhappy01

投稿: ぷりん | 2012年1月20日 (金) 11時22分


ゾクゾクする絵です。

巳之吉はどうしようとしているのでしょう〜
まるでクリムトの絵「接吻」みたいです。

受けいれるべき
拒むべき
クリムトの
接吻
君と見ている

どこかに出せば良かったかな〜

投稿: アルキメデス | 2012年1月20日 (金) 16時07分

eyeアルキメデスさま
ありがとうございます。クリムトは大好き~。snow
五行歌、おもしろいです。
君はだぁれ??
クリムトの絵を見たあとのふたりの行方が
気になります。lovely

投稿: ぷりん | 2012年1月22日 (日) 10時12分

>女はくるりと背をむけて、すうーっと小屋を出て雪ました。

なんだか、
女の背中に うっすらと
悲しみいろの蜘蛛のタトゥーが 浮かんできます…
雪蜘蛛でしょうか…
雪女の幼くして亡くなった子の面影なのでしょうか、
それとも 失った過去の恋の残像なのでしょうか…

背中から 抱きしめてあげたいけれど、
人膚の ぬくみで融けて消えて しまいそう

おっと、膚にぬくみの無い雪男なら大丈夫かな…

投稿: 雪男 | 2012年1月23日 (月) 06時15分

snow雪男さま
コメントありがとうございます~happy02

なにゆえに雪女は雪女になったのか?
過去にどんな秘密があるのでしょう?
雪のなか、子供を亡くしたのかな??
目のつけどころが、さすが、雪男さんです~

また、すてきな不思議な歌ができそうですね。
うふふ。楽しみです。bell

タトゥーかぁ。。。ううむ。いいかも。
こんど描いてみようかしら?lovely

投稿: ぷりん | 2012年1月23日 (月) 08時52分

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