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2010年12月

2010年12月26日 (日)

乙女のほほがなじる(東京本郷歌会レポート)

もう、今年もわずかとなりました。みなさんはどんなクリスマスを
すごされたのかしら?わたしは、クリスマスらしいこともなく、仕事と
忘年会で、あわただしくすごしております。
五行歌の会「麹町倶楽部」の忘年会も楽しんできました。
別に「東京本郷歌会」にも出席いたしました。
そして。。。、そこで、はじめて栄えある「一席」を
ちょうだいしました(パチパチ)歌は。。。。

無花果 削げば
触れるなと
乙女のほほが
なじる
ほどに 熟して

Photo
この歌はいちじくの皮をむいていたときに思いつきました。
無花果の皮はうすーっくむかないといけませんが、どうも上手にできません。
ちょっとでも、厚めになると、赤い種の部分がむきだしてしまします。
なんだか、痛々しいようすで、まるで、何かいけないことをしている
みたいだなぁ。と、思ったのがきっかけです。

無花果というのは、桃や柘榴と同様にどこか色気があります。
そこで、ちょっと「艶」に創作してみました。
この歌で暗示してみたかったのは「処女性」です。
水揚げ前の半玉さんを想像してください。
半玉さんというのは、食べられてみたい気もするけれど、食べられるのは怖い。。
といったお年頃です。刃物〔男性)にきっさきを向けられれば、
まずは、本能としてかたくなって拒絶。でも、どこかに媚がみえます。
熟してはいるけれど、まだ食べさせたりしない。といったプライドもあります。
そんな瀬戸際のこぼれそうでこぼれない艶の美しさを
詠んでみたかったのですが、いかがでしょう?
「なじるほどに」としたほうが、自然ですが、「なじる」で改行して、
詩の呼吸をみだしてみました。
「乙女の呼吸のみだれ」を表現したつもり〔苦笑)です。
などなど、自分の頭のなかではいっぱい考えて提出した歌ですが、
批評会では「わけがわからないけど、なんだかおもしろくって点を
入れてしまった」という感想がほとんどでした。あはは。。(苦笑)

さて、こちらで、絵をつけて楽しんできた五行歌の世界ですが、
来年9月に、展覧会を開催できることになりました。
麹町倶楽部の協賛をいただいての個展になります。
倶楽部のみなさんの歌を絵にして、展示します。
通常の仕事に加えて、新作をたくさんつくることになるので、
来年は忙しくなりそうです♪が、わくわくしています。

さて、明日はまた、忘年会。
お写真でも撮って、今年最後の記事にしようかなぁ。

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2010年12月18日 (土)

昔ばなし「おおみそかの火」その3

夜が明けて元旦になりました。
お嫁さんはいちばんに起きると、いろりの火をあかあかさせて、
おばあさんに教わりながら、おぞうにをつくりました。
そして、みんなで新年のお祝いをしました。
でも、お嫁さんは、死体が気になって仕方がありません。
つい、ちろちろわらのほうへ目が行きます。
とうとう、むすこがそれに気がついて、
「どうした、何か気になるものでもあるのか」
と、わらをのぞきに行きました。
お嫁さんは、はらはら、どきどき。。胸がつぶれそうです。
Blog
そのとき、むすこが大声をあげました。
「こりゃ、すごい!どうしたんじゃ!」
なんとまぁ、わらの中には金がぎっしりつまっていました。
死体が金にかわっていたのです。
Blog_2
お嫁さんには、わけがわかりません。
ただ、胸のつかえがとれて、涙がこぼれました。
そして、大みそかのできごとをすっかり話しました。
すると、おばあさんが言いました。
「きっと、七福神さまが、年越しの支度をなさっているところに
出会ったんじゃ。死体というのは、うそで、火を守る覚悟を
ためされたんじゃろう」
「この金は、おまえが、この家のほんとうの嫁になれたごほうび
じゃろか」
むすこもにこにこして言いました。

こうして三人はうれしいお正月をむかえ、いつまでも幸せに暮らした
そうです。いろりの火ももう二度と絶えることはなかったそうですよ。
めでたし、めでたし。おしまい。
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七福神=七人の福の神
大黒天、恵比寿、毘沙門天、弁財天、福禄寿、寿老人、布袋

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2010年12月11日 (土)

昔ばなし「おおみそかの火」その2

ところが、たき火のそばまで来て、お嫁さんはふるえあがりました。
大きな男たちが七人、たき火をかこんでお酒をのんでいます。
火に照らされた顔は、まっかで、鬼のようです。
逃げ出したいのをこらえて、お嫁さんはおそるおそる言いました。
「あの。。。火だねを分けてくださいな」
すると、男のひとりが、お嫁さんをぐいと見据えて言いました。
「ああ、分けてやってもいいがな。そのかわり、頼みがある」
「どんなことでもいたします」
お嫁さんが答えると、男は大きなわらのつつみを指差して
言いました。
「わしらの仲間が死んだんじゃ。今、そのなかに入れてある。
わけは言えぬが、しばらく死体をあずかってほしいんじゃ」
Brog4
なんて恐ろしい頼みでしょう。でも、大切は火だねのためです。
「わかりました。。。火だねを分けていただけるなら」
お嫁さんは、引き受けることにしました。
火だねをもらうと、死体を背負いました。
つぶれてしまいそうな重さです。
重いのと、おそろしいのとで、膝が、がっくんがっくんゆれます。
なんども倒れそうになりながら、まっくらな道を家に向かって
歩いてゆきました。
Blog5
ようやく帰りつくと、土間のわらのなかに死体をおきました。
その上に また たくさんのわらをかぶせて、死体を隠しました。
それから、もらってきた火だねをいろりにうつすと、少しほっと
して、そうっと、奥の部屋をのぞきました。
おばあさんも、むすこも、よく寝ています。
お嫁さんは、這ってふとんまで行くと、そっとすべりこみました。
Blog (つづく)

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2010年12月 4日 (土)

昔ばなし「おおみそかの火」その1

師走です。今年もあとひと月たらずになりました。
家庭においては主婦がいちばん忙しいときですね。
なのに、わたしは、大掃除らしきことすら、まだなぁんにも
やっていません。困った。。。
でも、嫁は「家の要」。家内安全の役目を担っています。
これはそんなお嫁さんの心得を説く?
古くからの年越しのおはなしです。

「おおみそかの火」

むかしむかしのおはなしです。
あるおばあさんとむすこのふたり暮らしの家へ
若いお嫁さんが来ました。

その年のおおみそかの夜のことです。
おばあさんがお嫁さんに言いました。
「これからは、嫁のあんたが火を守るんじゃ。
絶やさんようになぁ」
お嫁さんは、こくんとうなずいて、いろりの火を
しっかり見据えました。でも、ちょっと、心配です。
Blog1
そのころ火は大切なものでした。
この村では、いつでも火を絶やさないのがお嫁さんの役目だったのです。
ことにおおみそかの夜の火は、福の神様が降りていらっしゃる
めじるしなのだと言われていました。

火が消えないように いろりを片付けて お嫁さんは寝床にはいりました。
でも、なんだか気になってなかなか眠れません。
とうとう起きだしていろりをのぞきます。
「あっ、たいへん!どうしよう」
なんと、火だねが消えています。
Blog2
「どうしよう、どうしよう。。」
おばあさんに、どんなに叱られるかわかりません。
いいえ、それより、家に不幸が訪れるかもしれません。
お嫁さんは途方にくれて、ふらふらと外へでていきました。
「どこかで火だねをもらってこなくては。。」
そう思ったのだけど、どこの家も寝静まっています。
「どうしよう。どうしよう。」
真っ暗な道をとぼとぼ歩いていると、ちらちらと赤いものが
見えてきました。
「あんなところで焚き火をしている!よかった!
火だねをもらってこよう」
Blog3
(つづく)

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