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2010年8月28日 (土)

小泉八雲「ろくろ首」その5

回竜が小屋にもどってみると、
傷だらけの首を胴体にくっつけた四人が
身をよせあってふるえていました。
回竜を見るや、
「それ、坊主じゃ。ちくしょう!ちくしょう!」
くちぐちにわめくと、あわてて山の奥へ逃げていきました。
11
いつのまにか、東の空が明るくしらみはじめています。
なんという一夜であったことか。。
そのうえ、袖の首は、ぶらさがったままです。
化け物のふしぎな力は、夜のあいだだけのはずなのに、
この首は、朝になってもいっこうに離れません。
回竜の怪力であっても、その口をこじあけることができないのです。
がっしりと食らいついて白目をむいています。

回竜はがんこな首をつくづくと眺め、
「いやはや、化け物の首とは。。。
とんだ旅のみやげが、できてしまったわい」
と言うと、朝日にむかって、からからと大笑いしました。
12
こうして回竜は、袖の首をぶらぶら、ぶらぶらさせながら、
ふたたび修行の旅を続けるため
ゆるゆると山をおりていきました。
13
えっ、首はどうなったかって?
旅の途中、追いはぎに ころもごと、くれてやったそうですよ。
その追いはぎ、しばらくはそのころもで、人々を
おどかしていたそうですが、やはりたたりが恐ろしくなって
化け物たちの小屋をさがしあて、そこで首を供養をして、
塚をたてたのだそうです。
でも、とうとう胴体は見つからなかったとか。
ですから、ちゃんと成仏してくれたかどうか。。。。
今でもだれにもわからないのですよ。

さあ、おしまい。とっぴんぱらりのぷぅ。

はあぁぁぁ、ようやく、終わりました。
長いお話、読んでくださってありがとうございました。

それにしても、この回竜、強いですねぇ。
こんなお話ものこっているのですよ。
化け物退治の僧として、諏訪の国では
お殿様から、歓待され、ご褒美までたまわったとか。
回竜の勇気は、人々の尊敬の的だったようです。

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5百物語」カテゴリの記事

コメント

うわぁ~とってもおもしろかったですhappy02
お疲れさまでしたcat

子供の頃、映画だったのか…テレビだったのか…
微かな記憶が残っていますが、
あれ以上に、ぷりんさんの絵は、怖い!怖い!
こんなに怖い絵を描ける人は、
ぷりんさんをおいて他にはいないと断言します!

もし、お時間ありましたら、
他の八雲の怪談も・・・あ~我が儘ですねsweat01
できれば、1冊の本になると、どんなに良いかbook

投稿: せりなずな | 2010年8月28日 (土) 11時09分

cloverせりなずな様
楽しんでくださって、ありがとう!
ほんと、嬉しいわ。happy02
また、怪談。折り見てやりたいなぁ。

そうそう、せりなずなさんのおはなしに
つけた絵はもう提出しましたよ。shine
ご本がでたら、ブログでも宣伝しましょうぞ。
楽しみに待っていてくださいね。punch

投稿: ぷりん | 2010年8月28日 (土) 19時25分

ぱちぱち(拍手)
八雲の世界、いいですね~~。今度、うちでも使いたいです。
私、ぷりんさんの絵、可愛いのよりも、こういうほうが、好きです!

投稿: asako | 2010年8月29日 (日) 08時23分

cakeasakoさま
わたしも、かわいい!ものより、こうしたものの
ほうが、自分に合っているかな?flairと思うことが
あるのですが、児童書の世界では、なかなかここまで
できませんですな。coldsweats01
あさこさんのところで、使ってくれれば嬉しいですlovely
モノクロにもなりますぞriceball

投稿: ぷりん | 2010年8月29日 (日) 12時28分

ろくろ首のイメージが変わりました。
力強さと迫力、怨念、執念のすごさが印象的でした。

暑い夜には、もう一度読んで涼しくなりましょう~
ぷりんさん、お疲れ様でした。

投稿: アルキメデス | 2010年8月29日 (日) 12時58分

eyeアルキメデスさま
実に頼もしいお坊さんでした。fuji
私なぞ、描いているうち、ろくろ首に
同情してしまいました。sad
怨念を越えるお坊さんの豪胆さ。。。
確かに「怪談」のイメージを変えますね。
どっちが、こわいのやら??(笑)typhoon

投稿: ぷりん | 2010年8月29日 (日) 18時41分

私が想像していたお話とはだいぶ違っていて驚きました。
回竜の強いこと強いこと。

その回竜を上手くイメージして描かれていてnote
凄いな~とflair

お疲れ様でしたhappy01

次回作、お待ちしております。

投稿: aoba | 2010年8月31日 (火) 13時27分

snailaoba様
そうでしょ。回竜の強さって、
ろくろ首が、かわいそうなくらい(笑)coldsweats01
こんなお坊さんが身近にいてくれたら、
さぞ、頼りになりますわいpunch
何にもこわいことないですねぇ。fuji

次回は。。。いろいろやりたいのが
あって迷っています。happy01

投稿: ぷりん | 2010年9月 1日 (水) 14時09分

はじめまして、ぷりん様。
迫力満点の素晴らしい絵で、ビックリしました。
とても楽しめました。有難うございました。

原作の小泉八雲さんが、お坊さんが化け物を殺してしまう、という設定にしていたのが、同じ僧侶として、少し残念です…。やはり僧侶は、生きとし生けるものの幸せを祈りたいですから、なんとか改心させる様な話にしてもらいたかったものです。

それはともかく、ぷりん様の絵は大好きになりました。

一ファンに加えて下さいね。そして、これからも訪問させて下さいませ。

ぷりん様が益々ご活躍されます事を、心よりお祈り申し上げます。

投稿: 全雄 | 2010年10月23日 (土) 22時42分

snow全雄さま
まぁ、お坊様。はじめまして。(合掌)
お坊さまにご訪問いただけるなんて
なんだかありがたいです(合掌)
楽しんでいただけて嬉しいです。happy02
世阿弥の脚本でしたら、お坊様の祈祷で
心安らかになって、成仏してくれそうなのですが、
このお話のお坊さんは武家の出なので
「退治」punchでした。coldsweats01

ブログ拝見しました。
紙芝居などもされているのですね。
しかも『怪談」もある!heart02
わたしも、これから教えを請いにうかがいますね。
よろしくおつきあいくださいませ。japanesetea

投稿: ぷりん | 2010年10月23日 (土) 23時35分

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