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2010年7月17日 (土)

小川未明文学賞大賞「アンモナイトの森で」

「赤いろうそくと人魚」「月夜とめがね」などで知られる小川未明は、
日本の童話の父とよばれ、千編をこえる作品をのこしました。
いつも弱いもの貧しいものに慈しみの心をもちながら、社会の不正には
立ち向かう勇気と正義感をもちあわせていた小川未明。
そんな心を受け継ぐために生まれた「小川未明文学賞」です。
今年で18回目。大賞に選ばれたのは市川洋介の「アンモナイトの森で」です。
このお話がこのたび、単行本となって学研教育出版から発売されました。
わたしは、表紙、挿絵を担当しました。
Photo
市川氏は(私はお会いしていないのですが)北海道の三笠という町の生まれ。
この町は炭鉱の町。また、白亜紀の地層が露出していて、
アンモナイトの化石がたくさん出ることでも知られています。
この物語は、そんな彼のふるさとを根っこに創作されました。
さて、どんなお話か??ちょこっと、また立ち読みです(笑)

舞台は明治、北海道の開拓民が住む炭鉱の集落です。
主人公チヨは、ここで生まれ、幼いときから原生林を自由に飛びまわってきました。
でも、森にすむものたちのなわばりを荒らすようなことはしません。
彼らに敬意を払い、森の王者ヒグマとも心を通わしていました。
1
そんなある日、枯れ沢で貝の形をした美しい石を見つけました。
そう、アンモナイトの化石です。
この発見によって、神聖な森に調査団がはいりこむことになりました。
学者たちを森の奥深くに案内するチヨ。
すてきな若い学者さんに頼りにされ、親切にされ、どこかどきどきします。
2
ところが、アンモナイト化石の調査で謝礼がもらえると知った村人たち。
もっと広域な調査をしたくなった学者たち。
人間の欲がふくらんできて、平和だった森に銃声が響くようになって
しまいました。
3
「自分があんな化石を拾って、案内したばかりに。。。」
追い詰められていくヒグマたちに、チヨの心は痛みます。
なんだか恐ろしいことがおこりそうな気がします。
「どうかヒグマたちのなわばりを荒らさないでほしい」
チヨの切なる願いは届くのでしょうか?
4
この本は、市川氏が北海道の市役所退職後書いた、渾身の作。
読み応えあります。デビュー作品!です。
わたしも、デビューの挿絵ということで、責任と応援の気持ちで
挿絵をつけました。今後、作家として、どんなご活躍をされるのか?
楽しみです。

夏休みの読書に(小学校3年ぐらい~)おすすめの一冊。
どうぞ、手にとってみてくださいませ。
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1子どもと本の話」カテゴリの記事

コメント

小川未明の作品は大好きです。ぷりんさんに、その絵もかいてほしいなぁと思っていたところ。来年、著作権が切れると思うので、うちでも扱いたい作品です。

新しいタッチの絵ですね。大人は、子供はきれいな色が好きだと思い込んでいるけれど、子供にとっては、こういう絵は、心に残るものになると思います。

投稿: asako | 2010年7月17日 (土) 10時07分

cakeasakoさま
わたしも、未明の著作権きれるthunderのを心待ちに
しているのよん。(業界みんなそうかしら(笑)
幻想的な場面が多いので、前々から描いてみたいと
思っていたのよ。ぜひによろしくお願いします。happy02

この「アンモナイト~」のお話は歴史的背景も
あるし、けっこう内容の重いものなので、
子どもっぽい絵だと合わない。と思って、
リアル路線にしました。punch
アンモナイトを描くのが新鮮でおもしろかった仕事
でしたshine

投稿: ぷりん | 2010年7月17日 (土) 10時50分

このたびは私のつたない作品に、すばらしい表紙画、挿絵の数々を描いていただきほんとうにありがとうございました。明治の民話風の物語にぴったりな挿絵を校正ではじめて拝見したときには、文字をみるのを忘れて絵ばかり見つめてしまいました。
この記事も私のホームページの紹介記事よりはるかに的確に素敵にまとめられていて。多くの作品を手がけておられる先生に、私の初めて書いた児童文学作品の絵を描いていただけましたこと、たいへん光栄に思います。ありがとうございました。

投稿: Yosuke | 2010年7月17日 (土) 11時49分

book市川さん
力作でしたねpunch
一気に読めるおもしろさでしたbleah
ラストは泣けますcrying
わたしも、手ごたえのあるお原稿を頂戴できて
嬉しかったです。snow
この作品をきっかけに
これから、どしどしご活躍ください。
また、ご縁のありますことを祈ってます。shine

投稿: ぷりん | 2010年7月17日 (土) 14時10分

完成しましたね~happy01
最後の挿絵などは、背筋がぶるんと震えるほどhappy02
是非読ませていただきます。
お疲れさまでした。

私も・・・・
何とか、頑張っていますcoldsweats01

投稿: せりなずな | 2010年7月17日 (土) 14時23分

cloverせりなずな様
さぁ、こんどは、せりなずなさんの番ですよpunch
わたしは、せりなずなさんの作品も
こちらに、負けず劣らずと
りっぱなものだと、思っていますfuji
市川さんだって、退職してから「本」になったのです。
作家の道のりは長い。horse書き続けましょう。
そして、せりなずなさんの作品に
わたしが絵がつけられたらいいなぁ。happy02

投稿: ぷりん | 2010年7月17日 (土) 17時11分

ぷりんさん、お疲れさまでした。
北海道の出身で我々世代は、三笠がアンモナイトで有名なことは知っています。
もしかしたら、夕張といっしょに社会科見学で立ち寄っているかもしれません。
そしてアンモナイトの大きな化石は、多分そこで見ていたのです。。
アンモナイト、ヒグマ、少女、そして明治時代・・・
ちょっこし、見たいです。

投稿: アルキメデス | 2010年7月20日 (火) 17時57分

少し立ち読みをさせていただき、もう早く先が読みたいです!
息子も化石が大好きですし、夏休みに是非ふたりでゆっくり読ませていただきたいと思います。

投稿: nakochan | 2010年7月20日 (火) 20時07分

eyeアルキメデスさま
わたしは、ここで化石がでることを知らず、
アンモナイトについて、いろいろ調べました。book
勉強しながら、描いた絵ですhappy01
こんど、お見せしますね。scissors

投稿: ぷりん | 2010年7月21日 (水) 06時41分

virgonakochanさま
わぁ、どうもありがとう!
わたしもこのお原稿を読んで、
「考古学って、ほんとロマンなのね」って
思いました。それにアンモナイトはいろいろな
形と色、模様があっておもしろいのね。heart01

女の子virgoが主人公ですけど、
内容は男の子っぽいleo
お話なので、きっと楽しんでもらえると
思います。scissors

投稿: ぷりん | 2010年7月21日 (水) 06時48分

パソコンが暑さでやられたのか
誤作動ばかりで、やっと此方に辿り着きましたweep

小川未明、愚息のお気に入りなんですよheart04
そして、考古学も。
この本を、そ~っと渡してあげましょう。
きっと大喜び~、にんまり~間違いありませんnotes

投稿: aoba | 2010年7月24日 (土) 12時03分

aobaさま
パソコンの調子はいかがですか??
クーラーが直接あたると、いけないようです。sweat01

小川未明を知ってるなんて、通の
ご子息です。びっくり!wobbly
{アンモナイト}はけっこう、泣けるお話で、
大人もうるうるできます。shock
息子さんの反応が楽しみだなぁheart02


投稿: ぷりん | 2010年7月24日 (土) 20時10分

先日はH歌会でのお席 お隣同志でお世話になりました。いつも絵画を歌にできる ぷりんさんに感動しています。
さて、先日読ませていただきました。
内容は子供の頃 大好きだった椋鳩十のような優しさと丁寧な描写にあふれ、また開拓時の北海道のことをしりたくなりました。
そして、ところどころに入る挿絵で、また感動させていただきました。
素敵のご紹介、ありがとうございました♪
まわりにもたくさん宣伝しています~
たくさんの人によんでもらい 感動を共有してもらいたいものです。
そしたらいつか ぷりんさんの個展も…みられますように~
ではでは まだまだ暑いようです
お身体 大切に

投稿: こすぎ | 2010年9月11日 (土) 06時25分

cakeこすぎ様
わぁ、コメントありがとうございますhappy02
読んでくださって上に、宣伝までしてくださって
ありがたく涙です。shine
よいお話だったので、絵にも熱shineがはいりました。

歌会では、おいしいマドレーヌありがとうございました。
手作りとお聞きして、びっくり!
お上手ですねぇ。heart01
また食べたい。。。あっ、これはあつかましいですね

個展をするときは、ご案内します。
よろしくお願いします。happy01

投稿: ぷりん | 2010年9月11日 (土) 12時05分

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