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2010年2月 4日 (木)

宮沢賢治「水仙月の四日」その1

ごぞんじ宮沢賢治は、たくさんの童話をのこしました。
どれも独特なファンタジーの世界ですが、そのなかに
「水仙月(すいせんづき)の四日」というお話があります。
水仙月とは、賢治の創作で暦ではないそうですが、
いかにも!という美しい響きですね。
こちらを、平易に短く、書き直してみました。

1_2

ひとりの男の子が 雪の丘を せかせかと急いで おりておりました。
小さなからだを 赤い毛布(けっと)でくるんだ かわいい男の子です。
男の子の足が、ますます速くなりました。
男の子の頭のなかは、さっきから カリメラのことで いっぱいなのです。
カリメラというのは、お砂糖を くつくつと 煮詰めたもので
男の子が 大好きなおかしです。
今、そのお砂糖を買って帰る道なのです。
「ああ、はやく家に帰って、カリメラをつくって、食べたいなぁ」

空は、どこまでも晴れわたっています。
つぅんと澄んだ青が 雪にはねかえって まぶしいくらいです。

さて、雪の丘の上では 二匹の狼が 走っておりました。
赤い舌をべろべろと吐いて じゃれあっています。
雪狼(ゆきおいの)です。こいつらは 人の目には 見えません。
ふぶきになると、狂いだし、雪雲をふんで、空をかけまわったりします。

「しゅっ!あんまり、離れたらいけないったら」
雪狼の後ろから、白い毛皮の三角帽子をかぶった子どもが
歩いてきました。りんごのようなほっぺが 輝いています。
雪童子(ゆきわらす)です。

      (つづく)

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5百物語」カテゴリの記事

コメント

雪狼の後ろに広がる青い世界に眼を凝らしました。
見えるようで見えない雪童子がいるのですね。

「水仙月」と聞いて、越前岬の冬のさなか、雪に咲く水仙を思い出しました。
そんな時期にわざわざ咲かなくてもいう哀れさを感じつつ
さて物語は、どんな展開になるのでしょうか、楽しみです。

投稿: アルキメデス | 2010年2月 4日 (木) 18時11分

こんばんは。
お忙しい中、訪問&コメントを頂きましてすみませんでした。
「ふしぎなおみせやさん」は、あと4枚ありまして
スキャンに手間取っておりますcrying
プリンタと格闘するにも飽きて来ましたので(今日一日格闘ですpunch)明日、写真に撮ってアップしようと思います。
お手すきになられましたら、また遊びにいらして下さい。

子供の頃は、宮沢賢治のお話は読みにくかったのを覚えています。
言葉づかいかな~wobblyと思いますが。

白い毛皮の三角帽の子供と赤い毛糸の男のheart01
二人はどんな出会いをするのでしょうか。
バックのブルーと狼も素敵ですね。
木もブルーで。
こういった描き方もステキ♪です。

私も続きが楽しみですhappy01
ファンタジーの世界に引き込まれそうですcarouselpony

投稿: aoba | 2010年2月 4日 (木) 20時16分

本当に幻想的な世界ですね。
宮沢賢治のイメージ通りの絵です!すごい!

宮沢賢治の独特の世界観に子供の時は随分憧れましたが、
大人になってからは、また感じ方がかわりましたheart04
いつか宮沢賢治のイーハトーブへ行ってみたいです。

投稿: せりなずな | 2010年2月 4日 (木) 20時56分

イーハトーブ行きましたよ。
宮沢賢治には申し訳ない思い出がありまして・・・。
初め大嫌いだったの。
あれは教科書が悪かった。そして大好きになったのも教科書。
大人になったのです。
ははは、これじゃまったく意味不明ですね。
今は大好きということです。

投稿: 猫の手 | 2010年2月 5日 (金) 10時45分

eyeアルキメデスさま
春が待ち遠しいこのごろ。cherryblossom
ちょうど、いい絵があったので、
文章の練習がてら、連載することにしました。

賢治は岩手の生まれ。4月上旬水仙のさくころも、
まだ吹雪があったようです。
吹雪のなかに咲く水仙の花のような、
ハッピーエンドなのに
少し哀しいお話です。confident

投稿: ぷりん | 2010年2月 5日 (金) 10時55分

snailaoba様
スキャンになれると、aobaさんの絵の色味がもっと、
きれいにでるはずなので、
がんばって、格闘(笑)してくださいな。

宮沢賢治は、今、読み直しても、。。。
ものすごく、読みづらいです。wobbly
世界観は独特ですばらしいnotesと思うのですが、
文章は独善的なのでは?bombと実は、思っています。
そこで、ものすごく、整理して書いてみました。

これは友情?らしき、お話です。snow

投稿: ぷりん | 2010年2月 5日 (金) 11時07分

cloverせりなずな様
わたしは、子どものころは、賢治の童話は
理解できませんでした。crying
むずかしいのか?相性が悪いのか?
今でも、理解に苦しむところが多いです(苦笑)
でも、幻想的なので、絵にはしやすい。flair
文章も書き直してみると、
理解がすすみそうです。(大笑)

投稿: ぷりん | 2010年2月 5日 (金) 11時13分

cat猫の手様
わたしも、子どものころは、きらい?
わからない?ほとんど、読んでないのです。

今、ようやく読み始めても、ふしぎです???
小川未明の文章は、行き届いていて
美しい。crown
新美南吉好きですけど、まだ、むだな描写が
多く感傷的になりがち。。。fish
賢治は、比喩が多すぎてストーリが
わからなくなる。主語はどこ?typhoon
思っているのは私だけかしら?
これを書きながら、勉強です。

投稿: ぷりん | 2010年2月 5日 (金) 11時22分

出だしから不思議な雰囲気でお話の続きが気になりますnote

子供の頃、宮沢賢治のお話は何だかちょっと怖くて嫌いでしたsad
でも大人になってから改めて『セロ弾きのゴーシュ』を読んで
子供の頃に気付かなかった何とも言えない雰囲気と面白さに引き込まれましたnotes

宮沢賢治に限らず昔からある童話や絵本を
大人になってから読み返してみると新たな発見があって
とても面白いですよねhappy01

投稿: とことこ | 2010年2月 7日 (日) 21時33分

footとことこ様
宮沢賢治のお話は、大人向けのような気がして
なりません。

「セロ弾き」も。ゴーシュの悩みは、「大人」の
悩み。。。というより、ひょっとして
賢治自身のコンプレックスではなかったかと。。
今になって、思います。snow

子どものころは、わたしも「ぶきみ」でした。wave
でも、子どもにこびれなかったのが、
今でも残っている魅力かもしれません。catface

投稿: ぷりん | 2010年2月 9日 (火) 20時54分

boutique 「水仙月の4日」3年ほど前にNHKラジオ文芸館で聞きました MDに録音していました 当時は意味不明でした 最近銀河鉄道の夜といっしょ聞きました 雪深い岩手の冬をバックにしたファンタジックな童話で面白かったです 青木裕子アナウサーのクォリティーの高い語りで物語の中に引き込まれました 私は銀河鉄道の夜が最高に好きです 天の川に両翼を広げた白鳥座を始発駅に 真っ赤に燃えるサソリ座を通り 南十字星サザンクロスに至る描写が感動的です

投稿: みちは | 2011年2月 1日 (火) 20時43分

boutiqueみちは様
はじめまして~。
宮沢賢治は、子どものころは、よくわからないお話
でした〔笑)でも、今はファンタジーだなぁ。と
すてきに思えるようになりました。でも、原文は
ブログには、長いで再話してあります。

みちはさんは賢治ファンのご様子。そんな方に
コメントをいれていただけて
とても嬉しいです。happy02
銀河鉄道なんて、ほーんと絵になるお話なので
そのうち、チャレンジしてみたいです~punch
このブログのカテゴリー「百物語」では他のも
いろいろと絵本ふうにやってます。art
よかったら、ちょこちょこのぞいてみてくださいね。
また、感想きかせてくださいな。みちはさんの
お人なりも知りたいですlovely

投稿: ぷりん | 2011年2月 2日 (水) 07時35分

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