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2009年11月13日 (金)

「ブレーメンの音楽隊」を読み解く(その2)

四匹は、森の中で 夜を明かすことにしました。
大きな木の下に、ろばと犬が 寝そべりました。
猫とおんどりは、木の上にあがりましたが、
おんどりは、てっぺんまで 飛び上がりました。
そこが いちばん安心できる場所に思えたからです。
そして、用心のため あたりを 見回しました。
すると、遠くにひとつ、ぽつんと 光るものが見えます。
「おーい、あかりが 見えるぞ。森の奥に家があるにちがいない」
おんどりが 叫ぶと、ろばが、「それは いい。そこまで行ってみよう。
ここは、寝ごこちが あまり よくないからね」と、言いました。
犬は「そうしよう。おなかもすいたからね。そこに 肉が 
ちょっぴりついた骨でもあるといいなぁ。」と言いました。
猫は「かまどの火が、のこっていれば、暖かくて助かるわ」
と、言いました。
41
四匹が、ふたたび、そろって、歩きだしました。
ちらちらとした明かりは だんだん大きくなって行きます。
やがて、こうこうと 明かりのもれる一軒の家に たどりつきました。
いちばん背の高いろばが、中を覗き込みます。
「何が、見える?ろばさん」と、おんどりが聞くと、ろばは、
「すばらしいごちそうと、ワインがテーブルにならんでいるよ。
席には、どろぼうたちがいる。えらく楽しそうだ。」と言いました。
「うらやましいな」おんどりがつぶやくと、
「そうとも!あのごちそうを なんとか ちょうだいしたいものだね」と
ろばが、言いました。
そこで、四匹は、どうしたら、どろぼうを追っ払えるか、相談しました。
そして、よい手を思いつきました。

ろばが、前足を 窓枠に かけて立つと、犬が ろばの背中にのり
ました。猫が 犬の背中に はいあがると、おんどりが、
高くまいあがって、猫の頭に とまりました。
そして、いち、にの、さんで いっせいに鳴きました。
ろばは、「べえぇぇ」。犬は「うぉんうぉん」。猫は「ぎゃお、ぎゃお」。
おんどりは「こけっこっこー」
その声のすさまじいこと!。
5
どろぼうたちが、びっくりして ふるえがったところへ、、
四匹は、窓をやぶって、中へなだれこみました。
どろぼうたちは、化け物がおそってきたのだと
思い込み、いちもくさんで逃げ出しました。
四匹は、さっそく テーブルにつくと、がつがつと、ごちそうに
食らいつき、たらふく いただきました。
6
●昔話は「孤立」しているのが好き。見える明かりはひとつ。森の中で
たどりつくのは、一軒家が定番。
●昔話のストーリーは「まっすぐな一本道」を進みます。
ろばは、犬に会い、猫に会い、おんどりに会い、どろぼうの家にたどり着く。
そのあいだに「生い立ち」とか「飼い主たちのその後」とかを挟み込むような
複雑な組み立てははじめから、放棄してます。
●昔話の表現は単純。「大きな木」「すばらしいごちそう」の一言です。
そのほうが、聞いたとき、頭にすっと、絵が浮かびます。
●昔話では人も物も「硬質」です。窓をやぶってもガラスの破片はささらない。
ごちそうに、ガラスの破片もはいらない。おにぎりも、ころがっても、
ほぐれないし、泥だらけにならないのと 同じですね。
●おとぎ話というものは、そもそも、リアルな表現はしないものなのです。
むずかしいことが少しも考えられない。。まるで、図形のような主人公が
ある点からある点に移動していくだけです。

でも、こうして、長い間愛され、語り継がれてきたのは、なぜでしょう?
次回、最終話で、考察してみます。

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コメント

「ごちそう」という言葉に、子どもの頃、イメージを膨らましました。
絵本の中の、肉や飲み物にドキドキしたものです。
こんなことがありました。
母が生まれて始めて食べた「バイキング料理」の体験を、私たち子どもの前で説明するのですが、よく分からない私たちは、母の服をつかんでしつこく聞いていたことを思い出しました。

投稿: アルキメデス | 2009年11月13日 (金) 19時04分

eyeアルキメデスさま
どんなごちそうか?細かに説明するより、
単純に「ごちそう!」と言い切ってしまった
ほうが、子どもたちには、イメージが
広がっていくようです。birthday
「お母様の初バイキング体験」よいお話ねぇ。
まとわりつく、小さなアルキメデスさんを
ほほえましく、想像しました。happy01
わたしも、「初マクドナルド」fastfoodを食べに
銀座に行くとき、ものすごく、
どきどきしましたよheart01
で、食べたとき、感動したhappy02

投稿: ぷりん | 2009年11月14日 (土) 06時20分

昔話の展開の中で、くどくど説明していると、
眠りにつこうとしている子供は、きっと飽き飽きするでしょうね。
お母さんが語るだけで、矛盾は消えていくかもしれません。
私も、子供に作り話をベッドで聞かせるときは、単純明快sign03そうしないと私も疲れてしまいます。

ごちそうといえば…
やっぱりハイジが食べていたチーズです。
あんなにとろりととろける物を、子供の頃見たことがありませんでしたrestaurant

投稿: せりなずな | 2009年11月14日 (土) 16時39分

cloverせりなずな様
子どものころは「出前」は特別なことで、
「ごちそう」でした。そのレベルでしたので、
勤めにでてから、はじめて「チーズフォンデ」と
いうものがあることを知りました。moon2wine
あのトロリは「贅沢ってこういうことね。」と感動!
「坦々麺」も感動しました。lovely
みんなそれぞれ「ごちそう」の思い出がありますね。
なおくんは、どんなものを「ごちそう」と
思っているのかしら?restaurant

投稿: ぷりん | 2009年11月15日 (日) 08時11分

ブレーメンの音楽隊 楽しそうですね!happy01
とても優しく温かい色合い。
パーカッションの方々と一緒に朗読しても
いいですね~~
とても楽しそう!
shine
考えましょうか・・・

投稿: akiko | 2009年11月15日 (日) 10時27分

tulipakikoさま
そうね、こんどは「おとぎの国」event
テーマにして、音楽noteと朗読karaoke
やっても楽しそうですね。happy01
「メルヘンの映像」movie
できあがっていますし、
絵本の原画artもそろってますしね。
楽しそうですね。carouselpony

投稿: ぷりん | 2009年11月15日 (日) 12時32分

最後の絵が子供にとって「ごちそう」heart01に。
お話を読んでもらっている間、絵を見ながら「これはお肉。」「果物がいっぱい。」・・・etc
子供ながらにこういうものが「ごちそう」というんだな♪
と絵本を見ながらわかっていくのでしょうねhappy01

いつもながら素敵な絵にlovelyです。

投稿: aoba | 2009年11月16日 (月) 09時47分

snailaobaさま
そうなの。絵artってイメージを固定化して
しまうから、それが、こわいところ。wobbly
ごちそうって、子どもそれぞれのイメージで
かまわないと思うのよね。本来は。。。。flair
ですから、結構、絵本って、責任重いと
思うのです。。。think

投稿: ぷりん | 2009年11月16日 (月) 11時47分

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