« 「浮世絵でつむぐ江戸物語」その5 | トップページ | 徳島の伝説「たのきゅうさん」その2 »

2009年10月20日 (火)

徳島の伝説「たのきゅうさん」その1

今回のお話は、落語で有名な楽しいお話ですが、もとは徳島の伝説です。
こちらを、ぷりん流に書き直してみました。

むかし、阿波の国の田能村(たのむら)というところに
久兵衛(きゅうべえ)という男がおりました。
たいそうな芝居好きで、旅回りの一座なぞがやってきますと、
ごはんも食べずに飛んでゆきます。
芝居がはねれば、見よう見まねの ひとり稽古。
気分は、すっかり役者になってしまいました。
そして、とうとう,百姓の仕事をほおりだし、
たったひとりのおっかさんまで、ほおりだし、
「田能久一座」を旗揚げ。
風のふくまま あちこちで 芝居をして まわるようになりました。
ところが、この一座、どこへいっても 評判を とるものですから、
そのうち 「たのきゅうさん、たのきゅうさん」と
引っ張りだこに なったそうです。

そんなある日。
高松のご城下で 芝居をしていたときのことです。
急ぎの飛脚がやってきました。
なんと、おっかさんが重い病気で 明日をもしれぬという知らせです。
すると、たのきゅうさん。忘れたつもりのおっかさんの、
しわくちゃ顔が、ありありと浮かんできました。
目がしばしばしてきます。
「許してくれなぁ、待っててくれなぁ」
おおあわてで、つづらに芝居道具をつめこむと、
とっとこ、とっとこ、走り出しました。
めざすふるさとの村まで、峠を みっつ 越えなくてはいけません。
ひとつ越え、ふたつ越え、あとひとつというところで、
日はくれてきました。
たのきゅうさんは、それもかまわず、とっとこ、とっとこ、
茶屋の前を 通り過ぎます。
と、そのとき うしろで ぶつぶつとつぶやく声。
ふりかえると、店のばあさんが、手をあわせています。
「どうぞ、あの旅のお人が うわばみに食べられませんように」

「やや!この峠にはうわばみがいるのかな」
たのきゅうさんは、青くなりました。
                                (つづく)
Tanokyu1

|

« 「浮世絵でつむぐ江戸物語」その5 | トップページ | 徳島の伝説「たのきゅうさん」その2 »

5百物語」カテゴリの記事

コメント

うわあ~早速、新作ですね!
浮世絵でつむぐ江戸物語の興奮もさめやらぬのに…

さすが!前へ前へと、突き進む!粋ですね!

続き、楽しみにさせていただきますfuji

投稿: せりなずな | 2009年10月20日 (火) 17時25分

遅くなってしまいましたが、朗読会お疲れ様でした!!
お忙しい身なのに、新作が読めるのはどこか嬉しかったりします。(でも、休養も取って下さいね~!)

さてさて、この「たのきゅうさん」、元のお話は小さい頃「日本むかしばなし」で見た記憶があります。
どんなお話しだったかはおぼろげなんですが・・・。

ぷりんさんアレンジのお話、また楽しみにしていますね。

投稿: Sey | 2009年10月20日 (火) 20時50分

ぷりんちゃん、朗読会はお疲れ様でした。

いつもしっとり落ち着いているぷりんちゃんが、
きびきびと動きまわっていてらして、かっこよかったですよ。
少しはのんびり?と思ったらもう新たにアップされていてびっくり。
あんまり無理しないでね。
といいつつ、続きを待ちます。

投稿: 猫の手 | 2009年10月21日 (水) 03時07分

cloverせりなずな様
こちらの絵は以前、お仕事で書いたもの。book
雑誌だったので、もう売っていないweep
そこで、絵は再利用。
文章は著作権がからむので、
自分で全面的に書き直しpen
ブログでアップとしました。
文章も、楽しいこのごろ!happy01

投稿: ぷりん | 2009年10月21日 (水) 08時26分

piscesSayさま
ようやく、ひと息いれています。
やれやれです。楽しいブログに
復帰できました。fuji
また、つどつど、遊びにゆきますね。note

わたしも、昔話として知ってた
お話です。でも、調べていったら、
でどころが、わりとはっきりしていました。
楽しみに読んでくださいね。lovely

投稿: ぷりん | 2009年10月21日 (水) 08時34分

cat猫の手さま
「浮世絵~」はよく、いらして
くださいました。confident
きびきび?ではなく「あわあわsweat01」と
いったカンジでした。run
なれないことして
反省もいっぱいで、次を考える日々crying

こちらでは、ゆっくり
文章を練る~!delicious

投稿: ぷりん | 2009年10月21日 (水) 08時40分

おはようございますhappy01
公演が終わられたばかりなのに、もう新作がeye
先生のファンとしては、嬉しい限りですがお疲れが出ませんようweep

たのきゅうさんのお話は、私も子供の頃テレビで見た記憶がうっすらとありますshine
ぷりん先生節で、また楽しい展開になりそうですねlovely

絵も素敵で、色合いにじーっと見惚れてしまいました。
たのきゅうさんの口が面白くて、一人でニンマリですsmile
背景のニジミ(シミみたいなもの失礼しました)は、どうやって描くのでしょうかrun
それから、1度タンポして乾ききってしまった色を、後から同色のタンポになじませるにはどのようにしたら宜しいでしょうかcrying

お手数ですが、お暇な時に教えて下さいheart01cake

投稿: aoba | 2009年10月21日 (水) 09時29分

snailaobaさま
artにじみは、偶然を楽しんでいいと思います。
わざとつくる場合は絵の具が乾かないうちに、
筆に水をふくませて、さわると、にじみます。

art乾ききったところに、またタンポしても
問題ないと思いますけど。。。うまく
なじまないのね。。。。そうね。。flair
霧吹きをかけたらどうでしょう。rain
かけたくない部分は、マスキング。。。
むずかしいかな?紙とかのせて、とにかく
水をかけたくない部分は、おおえばいいのでは?

ようやく落ち着いてきたので、
またまいまいちゃんのところへ、ちょこちょこ
まいりますね。happy01

投稿: ぷりん | 2009年10月21日 (水) 17時04分

NHKの朝ドラも徳島を舞台に始まりました。
こちらは、さてどんな展開になるのかな。
また怖いのが出てくるのかな・・・

投稿: アルキメデス | 2009年10月21日 (水) 17時54分

早速のアドバイスをどうも有り難うございますnote
にじみ&タンポ、トライしてみますねgood
先生の「かさじぞう」の絵本の(にじみ)を参考にshine

ちなみに、この「かさじぞう」は、見開きのサイズと先生が描かれて原画のサイズは同じなんでしょうかhappy02

は、また質問になってしまいましたね。
すみませんcoldsweats01

このひとつ前の記事で、父の事を気にかけて頂きましたのにお礼の一言もなくすみませんcrying
先月の時点で「車いすになるかも」と医者に言われていましたが、気丈な父です負けてはいませんcoldsweats02
「この年で楽しみと云ったら旅行と孫の文化祭でしょ。歩けるようになるまで退院しませんよ。」
と父はお医者さんを脅迫しています・・・coldsweats01
その甲斐あってか、父の頑張りの成果か、今日は松葉づえ1本でリハビリをしていましたwink
この分ですと、今月いっぱいで退院して来そうですhappy02
ほっと一息です。
と同時に、下手な絵本の「下」という字が取れるくらいになれるよう頑張りますsun

投稿: aoba | 2009年10月21日 (水) 20時22分

eyeアルキメデスさま
こんどは、どこかおばかさんの
「うわばみ」さんです。spa
ですから、姿は恐ろしくても、
うわばみさんに同情してしまうつくり
にします~!happy02

投稿: ぷりん | 2009年10月22日 (木) 07時11分

snailaobaさま
art絵本の絵はだいたい印刷サイズの
122%~140%拡大で書いています。
この絵も12号ぐらいで描いて
A3サイズぐらいの印刷におさめした。

hospitalがんばりやのお父さまで、
何よりでした。
車いすにならなくて、ほんとうに
よかった!happy01
近々のご退院、お祈りしています。
そしたら、温泉旅行でも!spa

投稿: ぷりん | 2009年10月22日 (木) 07時19分

おはようございますhappy01
今日もいいお天気ですねsun
お布団干し日和ですlovely

お返事を有難うございました。ペコリ

投稿: aoba | 2009年10月22日 (木) 09時05分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1204961/31858837

この記事へのトラックバック一覧です: 徳島の伝説「たのきゅうさん」その1:

« 「浮世絵でつむぐ江戸物語」その5 | トップページ | 徳島の伝説「たのきゅうさん」その2 »