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2009年7月13日 (月)

京都先斗町の小鹿さん

今年二月の終わり、京都へ行った。
天神さんの名で親しまれている
北野天満宮で梅を見た。まさに盛りのとき。
紅梅、白梅、八重、しだれと、鈴なりの見物客の顔を
かくすように競って咲いている。
どうしたものか、春のようにあたたかく、
羽織すらいらない日和であった。

その夜、先斗町へ呑みに行く。
飲み屋さんいっぱいの 細い細い小道の
奥の奥にある「上燗や」は、小さな小さなお店だ。

わたしは ひとり。熱燗を呑む。
しばらくして ひとつへだてた席に 彼女がすわった。
彼女も ひとり。熱燗を呑む。
いい年した女がふたり ひとりぼっちで お酒を呑んでいる。
なんとなく話でもしたくなるのが 情けというもの。
どちらからともなく 世間話。

思えば不思議な縁だった。別れ際に 名刺交換。
クリエイティブディレクターであった。
ペンネームは「段ノ滝 棗(ナツメ)」。愛称は「なつめハン」。

その後、晴海のフェスティバルで、彼女がディレクションした
キャラクターが登場する「花フェアリー」を見たり、
吉岡徳仁先生ディレクションのカルティエ展を見たり。。
そして、神楽坂で呑んだり、新宿で呑んだり。。。

色白のなつめハンには、日本酒がよく似合う。
なで肩に長めの首が、ふらりとしてきた頭をささえている。
涙袋の大きな目が二重にも三重にもなってきた。、
たいそう重たそうな目だ。目が重いので、眉が下がる。

泣き眉をいっそう八の字にして、彼女はいうのである。
「わたしはね、人と人を結ぶ人間になりたいの。
今ね、どれだけ才能あるクリエーターが、日の目を見ずに
終わっていると思う?わたし、それはいけないことだと思うの。
人と人をつむいで、才能が本来あるべき場所に きちんと
座れるような、そんな仕組みづくりをしたいの」
さかずき片手に彼女の弁は続く。
「おねえさん!(わたしのことらしい)
おねえさんの絵を見て、わたし、ぞくっときたの。
でもね、おねえさんのこと、世の中の人、知らないの。
おねえさんの世界観を みんなに知らせるのも、
クリエーターの「務め」です!」

Photo
こうして、わたしは ブログをはじめたのである。
ちなみに「ぷりん茶屋」と命名したのは、彼女。
つまり、なつめハンは、本ブログの「名付け親」なのである。

プランナー、クリエイティブプロデューサーもかねる彼女は
スポンサーと、メデイアのあいだを、京都と江戸のあいだを
飛び回っている。そのさまは「小鹿」のようである。

さぞ、忙しいのであろう、会うときはいつも移動中。
華奢なからだで、旅行バックをガラガラ引きずっている。
わたしは、ほっそりとしたうなじからつながる彼女の頭をみる。
頭には、大きな角がはえている。
おそらく「アンテナ」という角だ。小さなからだに大きなアンテナ。

彼女の志は大きい。いったい何を聞いているのだろう。
利益というビジネスのなかで、彼女のアンテナは
もひとつ、高いところを傍受したがっている。

彼女と私のつきあいはこれからだ。
志、同じくしたいものだが、それができるかは
わたしの才能が決めてくれるだろう。
もいちど、天神さんに 祈ってみましょうか?

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交流の肖像」カテゴリの記事

コメント

ブログのきっかけはそうだったのですか?

人と人との出会いって不思議。
これもご縁なのでしょう。
すごい偶然と必然を感じませんか?

今度京都に行ったら行ってみるね。
忘れんようにしとかないかんね。
紹介無しでもOKなのかな?

投稿: 猫の手 | 2009年7月13日 (月) 12時18分

ぷりんさま、「花フェラリー」ってフェラーリをお花で飾るのかとおもちゃった。
「花フェアリー」だったのね。ちなみに私はサクラでした。

投稿: 猫の手 | 2009年7月13日 (月) 12時29分

cat猫の手さん
あらら、誤植。。大変!ありがとう。
直しました(冷汗)
ちなみに、わたしは、「明るいパンジー」でした。

「上燗や」さんは、中村女史のご紹介の
お店だったので、安心していけました。

世の中、どうつながっていくのか、わかりませんね。
はじめは、ブログなんて。。としり込みしていたけど、
すっかり、はまっているこのごろ。
仕事では、読者カードなんて見せてもらえないけれど、
ブログですと、直にいただけるようで、楽しいですね。
なつめハンののすすめが「正しかった」のでしょう。


投稿: ぷりん | 2009年7月13日 (月) 12時53分

出会いって、ほんとうに不思議ですね。
京都の小さな呑み屋さんに、同じ日、同じ時間に居合わせただけの出会いが、思わぬ世界の入り口だった。
でも、二人は出会うべくして出会ったのかもhappy01

どんな出会いも、大切にしていきたいって、つくづく思いました。

もちろん、ブログという形でも、ぷりんさんと出会えたことは、私にとって最高の出会いですheart04

投稿: せりなずな | 2009年7月13日 (月) 15時48分

へえ〜〜
プリンさんがひとりで飲むなんてイメージできませんでした。
それも京都だなんてね。

「ぷりん茶屋」のネーミング、いいなあと思っていましたが
そんなお話があったんですね。。

投稿: アルキメデス | 2009年7月13日 (月) 18時59分

cloverせりなずなさん
そうですね。自分では思いもよらなかった、
うねりがやってきて、流されているような気持ちです。
でも、こうしてせりなずなさんと出会えました。
ほんと、良かった。私はあなたの書くものを
読むと、ほんと、清らかな気持ちになれるのです。

投稿: ぷりん | 2009年7月13日 (月) 19時19分

eyeアルキメデスさん
京都でご一緒した方が、お忙しく、
一足先に東京にもどってしまったのです。。。
ですから、勇気をもって(もつ必要はあったのか?)
呑みにいきました~!

思えば、アルキメデスさんも
わたしに不思議な縁を運んでくる方です。
そうそう、八ヶ岳の絵本館の館長さんは、
今年いっぱいで引退なさるとか。。。
先日、お電話をくださいました。

投稿: ぷりん | 2009年7月13日 (月) 19時29分

縁(^◇^)
せりなずなさんとの縁がぷりん先生と繋がらせてくれたのですね。
それも、せりなずなさんの訪問からで。
パソコンは好きでしたが、ネットは嫌いな私でした。
今時です、笑えますでしょ。
今はブログをはじめて良かったと心から思います。
ぷりん先生&せりなずなさんとのご縁を大切にして行きたいと望みます。

なつめハン、イタリアのあかうさぎさんとの出逢い、神様がほほ笑んでいられるのですね。
転機がやって来た!
ファイー!オー!ですね(^◇^)

投稿: aoba | 2009年7月13日 (月) 22時34分

色白の棗ハンには日本酒がよく似合ったのでしょうが、色黒の私には、いったい何が似合うのだろう。

人と人を結ぶって、私の学生時代からの研究テーマです。
何か対何か(企業と企業、国と国、エトセトラ)、の問題は、つまるところ、人と人である、と。

たまにはまじめなことも書いてみる、寂しがりやのえつりんでした・・・

投稿: えつりん。 | 2009年7月13日 (月) 23時06分

snailaobaさま
私もパソコンもネットも、苦手で、最低限のこと
しかやってきませんでした。
機種が「むかしむかしの~」なので、そろそろ
買い換えないと。。。
携帯もいいかげん買わないと。。。

やってみると、思ってもみなかった縁が
あるのですものね。aobaさんの絵もあの、いちばん
はじめのころから、アイディアがとても良かったので
見ていたら、どんどん上達!
才能というのは、業界のものだけではないのだと
実感!これからも、楽しみにaoba詣でいたしますね。
わたしも、がんばらないといけません。

投稿: ぷりん | 2009年7月14日 (火) 07時01分

wine淋しがりやのえつりんさん
えつりんが色黒???おしゃれ上手なえつりんさんには
ワインがお似合いよ~!
  
えつりんさんは、女性にはめずらしく
「営業職」ができる才知をお持ち。
そのうち、世界をまたにかけていきそうです。
淋しがりやさんで、人なつっこいので
きっと、いろいろな方にかわいがられて
いるのでしょうね。お仕事、がんばってね!

投稿: ぷりん | 2009年7月14日 (火) 07時12分

ぷりん様
ようやっと、初かきこみさせて戴きます(笑)。本日は、宵山真っ只中でございます。烏丸通りや室町界隈の各鉾の祇園囃子の音色が、お江戸在住のぷりん邸にも届いていますかしら?

ウメ春の京の地で、巡り合わせて戴いた「上燗や」さんに感謝! また、若輩ものの当方を「ぷりん茶屋」にてご紹介賜り感謝! ぷりんさんのプロバイダーのブログ候補選び、また、ブログを書き始めた頃のブログの構成やPC作業との日々、格闘されていた数週間が懐かしくすら感じます。ぷりんさんの公式サイト&ブログのシステムを陰日なたに支えて下さった柴山プロデューサー様にも感謝しております。必ずや、ユーザーに、ぷりんさんの活動とパーソナリティーは、関心高くもって戴けることは、お逢いした時から強く感じておりました。なにより、ぷりんさんが、想定していた以上に、ご自身の活動や日々の徒然を、楽しい読み物として昇華され大変うれしゅうございます。

ブログのタイトルは、ぷりんさんの初対面の印象と、その後、絵師としての活動を伺い、様々な方が行き交う路の一角に、山の麓の茶屋でひとやすみ戴くようなブログになればとの思いを込めて、ふわりと「ぷりん茶屋」の名前が浮かびましたの。おいしい茶菓子と、ほうじ茶を味わいながら、茶屋の女将さん扮するぷりん女史の姿が浮かびました(笑)。 なんだか小腹が減ったら、「ぷりん茶屋」で、ほっこりしよう・・・のような気軽におじゃまできそうなイメージ!

梅春にお会いした時より、さらなる新たなコトへの挑みを新たなアプローチを享受しながら、ぷりん流絵師の作法を極めていらっしゃるような! 小鹿のアンテナが、いつでも傍受できるよう“ぷりん流作法”にてお導き下さいませ! では、近々、お江戸にて!

※初書き込みにも関わらず、長文失礼いたしました(汗) ペコリ!

★おまけ★
モアージュのモアモアHAPPYレシピ(モアージュブログ)にて、ぷりん様が「時をかける絵師」として登場!
ふらりと、お立ち寄り下さいませ!

投稿: 棗ハン | 2009年7月15日 (水) 12時02分

sagittarius小鹿のなつめハン
なつめハンのご指南、ご教授にて、
なんとか3ヶ月、更新してまいりました。
感謝、感謝です。
このごろは、ブログを書くことで、己の方向性が
整理できてまいりました。いろいろチャレンジ
するのも楽しく、その反応も直に受け取れるのも
励みとなっています。
この試みが、なつめハンの志のお役に立てますように
がんばって、続けますね。
でな、また、近々お江戸で!「ぷりん茶屋」には
お酒もいっぱいおいてありますよん!

投稿: ぷりん | 2009年7月15日 (水) 13時44分

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