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2009年7月17日 (金)

岩手の昔話「たろうの笛の音」その2

たろうの笛は ゆうめいでした。
遠くの村の おかねもちの やしきに 
よばれて 笛を ふくことも ありました。
笛を ふけば、お金を もらえます。
でも、たろうは 楽しくありません。
おかねもちの だんなさまたちは いつも
お酒を のんでいるのです。
「やれやれ、うまいぞ。もっと ふけ」
はやしたてます。さわがしいばかりです。
でも、お金をもらえば くらしは 楽になります。

ひゅ~ ひゃらり ひょ~

たろうは 笛を ふきました。

Taro3

そんなある日のことです。
おかねもちのやしきからの かえり道、
滝つぼの前を とおりかかると、
わいわいと 人だかりが しておりました。
みれば、 大きなかめが います。
「どうじゃ。わしらが つかまえたんじゃ。」
男たちは かめの あたまを つついたり、
こうらに のって 踊ったりしています。
「かわいそうじゃ。はなして おやりよ」
たろうが 言っても だれも ききません。
「だめだめ、あとで こいつを 食べるんじゃ。」
「そうじゃ。みんなで たらふくやるんじゃ。」

Taro4

たろうは おかねもちから もらったお金を さしだしました。
「じゃったら、この金で かめを 売ってくれんかね」
お金を見ると、男たちはにんまり。
「ふん、これだけあれば、呑みにいけるがね」
「なによりじゃ。ひさしぶりに 町に くりだすかのぅ」

こうして たろうは かめを 滝つぼに もどしてやりました。
「もう、つかまるんじゃねぇぞ」
かめは いちど水にしずむと もういちど、
ちょこっと顔をだしました。
そして、たろうを見ると、うれしそうに
滝つぼの底へ 消えてゆきました。

Taro5 (つづく)

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コメント

かめなんですね。
意外で、びっくりしました!
かめというと、つい海のものを想像しますが、
身近にみるかめは、やっぱりイシガメやスッポンなど淡水のかめですものね。

なおとも、かめの登場に大喜びでした。
というのも、つい最近巨大なミドリガメを捕ってきたばかりでしたから…
かわいそうで…ということで、逃がしてきましたが。
恩返しは…期待できませんね。

投稿: せりなずな | 2009年7月17日 (金) 14時29分

どっちかと言うと助ける方ではなくて一緒に飲みに行っちゃう方かな?お金もらったら、ぼくは・・・亀と言えば亀戸天神も六義園もほとんどミドリガメ(ミシシッピー亀)ばっかりで苦さ亀や石亀は駆逐されつつあるね。在来種も肩身が狭い

投稿: GAMAZO | 2009年7月17日 (金) 15時03分

cloverせりなずなさん
まぁ、なおくんが、かめを!偶然ですね。
おうちの近くに自然がいっぱいなのね!
その亀さんは、きっと恩返しをしてくれますよ。

この亀は???どうだかよくわからない恩返しです。
そこがおもしろかったのですが(笑)
はじめにでてきた、けものたちは、また、登場します!

投稿: ぷりん | 2009年7月18日 (土) 06時08分

soccerGAMAZOさん
私は、お金をもらって、笛をふくたろうに
自分がかさなってしまいます(笑)
でも、たろうとちがって、
お金が大事で、かめを助けてあげないかも(苦笑)
しれません。昔話を読んでると、「人助け」のような
本来の「美徳」を認識して、反省しています。

投稿: ぷりん | 2009年7月18日 (土) 06時16分

鶴亀の亀ですね。
鶴の恩返しは有名ですが、亀は私も初めてです。
のんびりの亀さんですので、恩返しものんびりなのでしょうか。

投稿: aoba | 2009年7月18日 (土) 15時00分

wineおしゃれでさびしがりやで人懐こくて女性には珍しい営業職に向いている才知があってワインとセーラムが似合う(かも知れない)えつりんです。

鶴は千年、亀は万年、というから、やはり幸福の象徴、なのでしょうか。

話がそれますが、
夫が、ペットショップで犬や猫を衝動買いしてくるタイプなので、
かつてのペットロスをひきずって、別れがつらいからと、頑なに拒否している私です。
そうしたら、
自分より長生きするのを飼おうよ、亀とか!
と言って、夫はすっかりリクガメについて詳しくなっていました。

たろうは、お酒を呑む集団を、ネガティブなものとして捉えて、いたのでしょうね。
わかる気がします。

ところで、クラッセがだめなので、ライブドアでブログをつけてみることにしました。

何かよいハンドルネームのアイデアをくださいな、ぷりん姐さん!

投稿: えつりん。 | 2009年7月18日 (土) 18時32分

snailaobaさん
「のんびり恩返し」でしたら、ほのぼの。。
なのですが、別にしてくれなくてもよかった。。
恩返しです。ラストは書きながら、
うるうるしてしまいました。。。

投稿: ぷりん | 2009年7月18日 (土) 19時24分

wineえつりんさん
たろうは、まだ、少年なので、お酒くさいのは、
きらい?それより、ちゃんと自分の笛を聞いて
くれないのが、いやだったのだと思います。

私もアサリという猫が死んだときは、とても
悲しかったけれど、2年半も病院通いをしていたので、
覚悟もできていましたから、ペットロスには
なりませんでした。半年して、また別の子をもらって
きました。動物が身近にいる生活は
やっぱり、楽しいです。えつりんももういちど
挑戦してみましょうよ。

ブログのお引越しは、大賛成です。気楽にコメント
できるところにしてくださいな。
ちなみにここは「ココログ」よん。

ハンドルネームの「えつりん」は
かわいいし、本名と変わらないのでかえって、
良いと思いますけど。。。昔話の主人公の名前
でもいいかもしれませんね。
「赤ずきん」とか、みんなが知っている名前でも。
ブログタイトルは「のっぽな赤ずきんと小さな夫」
えつりんのダンナ様話はいつも、おもしろいです(笑)
お人柄が、とてもやさしそうで、かねがね
いいなぁ。と聞いています。

投稿: ぷりん | 2009年7月18日 (土) 19時53分

snailぷりんさん
たろうは、その事情を明らかにしていませんが、
少年ならではの疎外感と孤立感が、
よくあらわれていると感じました。

えつりんは、呼び名。
だんなさんも、えつりんと呼んでいる。

プリンみたいで、いいかも知れないな!

投稿: えつりん。 | 2009年7月18日 (土) 20時38分

ありがとうshine
引っ越したら伝えますsun

投稿: えつりん。 | 2009年7月18日 (土) 20時39分

wineえつりんさん
たろうは うちが びんぼうなので、
お金持ちのおうちで笛をふくけど、
ほんとうは、山の中だけでふいていたいのでは 
ないでしょうか。

ブログのお引越し、楽しみね。
すんだら、お知らせくださいな。

投稿: ぷりん | 2009年7月19日 (日) 08時14分

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