« 2009年5月 | トップページ | 2009年7月 »

2009年6月

2009年6月30日 (火)

静岡の伝説「ふたつの赤い月」その3

「およしなされ、とても無理じゃ。」
「名人の父さんでも、やられたんじゃ。」
村人たちは、ひきとめますが、
ふたりの決心は かわりません。
かつて父が隠れたと同じ大岩に 身をひそめて
おろちを 待ち構えました。
6
やがて、あたりを 霧が かくしていきました。
そうして、どこからか、なまぐさい風が ふいてきたかと思うと、
黒い右の木立の上に、ひとつ。
黒い左の木立の上にまたひとつ。。
赤い光が、すうーっとのぼりました。

「あれが、ふたつの赤い月。。。」
見ていると、からだがしびれてきます。
姉が言います。「いけない、あの月を見てはいけない」
妹がうなずきます。「父さんも、あれを見て動けなくなったのだ」
ふたりは、しっかり目を閉じました。

ああ、でも見えます。
赤いふたつの月は、らんらんと光る
皿のような おろちの目玉でした。

目玉は、地面をなめるように、
ゆっくり上がったり、下がったりしながら、
ずり、ずりり。。。ずり、ずりり。。。
と、おそろしく長いからだを ひきずって、近づいてきます。

姉が言います。「わたしは 右の目を ねらおう。」 
妹がうなずきます。「わたしは 左の目を ねらおう。」

おろちは、もう目の前。
ふたりは ちからいっぱい 弓を引き絞り
矢を放ちました。
7 (つづく)

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2009年6月27日 (土)

静岡の伝説「ふたつの赤い月」その2

弓の名人には ふたりの むすめが おりました。

ふたりは 風のたよりで、父の最期を 知りました。

妹が 泣きます。「くやしい。とうさんが やられるなんて。」

姉も 泣きます。「きっと、かたきを うちましょう。」

ふたりは、その日から ひたすら 弓のけいこに はげみました。

Photo 

一年たつと、うさぎや 鹿や 熊も 仕留められるように なりました。

それを ささげて、ふたりは 山の神様に 祈ります。

「どうか、かたきを うたせてください。」

二年たつと、飛ぶ鳥も しとめられるように なりました。

それを ささげて、ふたりは 山の神様に 祈ります。

「どうか、悪い おろちを うたせてください。」

三年たつと、矢は岩をも 通すように なりました。

岩を いただきに 祭って 山の神様に 祈ります。

「明日、かたきを うちに まいります。どうか お守り ください」

Obi2_2

その晩のことです。ふたりは、同じ夢を 見ました。

岩の上に 神様が すわっています。

「おまえたちに 力を さずけてやろう。

さあ、目を 閉じなさい」

言われたとおり、目を 閉じると、

神様は ふたりの まぶたを そうっと なでました。

「これで、おまえたちは 目を 閉じても

見たいものを 見ることが できる」

翌朝、ふたりは おろちのいる 婆娑羅山へ むかいました。

5 つづく

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2009年6月25日 (木)

静岡の伝説「ふたつの赤い月」その1

さて、今回は静岡の南伊豆に伝わる、けなげな

あだ討ち話をひとつ。。。

むかし、婆娑羅山という山に、おろちが 住んでおりました。

おろちは、人も 馬も 牛も ひとくちで 呑み込んでしまう

蛇の怪物です。

山にうすらと 霧がかると、、きまって ふもとの村を おそいます。

そのとき、ふしぎなことに 赤い月がふたつ のぼります。

ですから、月が ふたつ 見えると、

「おそろしや。おろちがくるぞ」

村人は、ふるえあがって、家にとじこもるのでした。

1

ある日 村に ひとりの弓の名人が あらわれました。

おろちのうわさを 聞いて やってきたのです。

「なに、赤い月がふたつとな?

おおかた、目くらましじゃろうて。」

名人は 太い腕を さすって笑いました。

「安心するがよい。わしが退治してやろう」

2

さっそく、山に向かい、大岩の影にひそんだ名人。

おろちがでるのを、じいっと待ち構えます。

あたりは、山鳥の声ひとつ 聞こえません。

やがて、夜になり、霧がたちこめはじめました。

すると、黒い左手の木立から、ひとつ。。。

黒い右手の木立から、またひとつ。。。

赤い光が、すうーっと のぼりました。

「なるほど、赤い月が ふたつ」

見ていると、からだがしびれ、気が遠くなっていくようです。

ずり、ずりり。。ずり、ずりり。。。

霧の中、ぶきみな音が近づいてきます。

名人は 頭をふって、岩かげから、とびだしました。

あやしい気配にむけて、矢を打ち込みます。

ひょう!ひょう!ひょう!

でも、からだは ますます しびれてきました。

もう 動けません。

と、目の前に まっかな おおきな口!

「うおおおお!」

名人は おろちに 呑み込まれて しまいました。

3 つづく

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2009年6月23日 (火)

ギャラリーふらここ「かえる展」

池袋にあるギャラリーふらここにて「かえる展」がはじまりました。

昨年の「くじら展」に続いて2回目の展覧会です。

主催は(株)遊。こども番組や知育ビデオを制作している

映像プロダクションです。

映像やさんがなぜ?とお思いでしょうが、

社長の葉方氏の 子供へのなみなみならぬ愛情と、

絵本に対する熱い思いが この展覧会を実現させています。

Photo_7

こちらが私の出品した作品。「かえるの雨乞い」

雨乞いした結果、雨がふってくれて

大喜びのかえるさんたち。といったイメージで描いたものです。

この展示会への出品は、絵本作家30人以上です。

会場のスペースの関係で、小品となりますが、

著名な先生方の作品でいっぱいです。

Photo_8 上 太田大八 下 ひろさわさえこ

Photo_9 左 矢玉四郎 右飯野和好

その全ての作品を安価で版売しています。

6月20日(土)のオープニングパーティでは、130名以上の

集まりとなり、大賑わい。スタッフの方々は大わらわでした。

Photo_10 「遊」社長葉方氏と。

7月19日(日)までの開催です。

駅から、少し遠いのですけど、よろしかったら、

いらしてくださいませ。

Photo_12 ちなみにこちらは昨年の「くじら展」に出品の「くじらの馬車」

| | コメント (16) | トラックバック (0)

2009年6月21日 (日)

絵本原画展「久我山幼稚園」その3

「ぷりん先生は、どんなお話が好きですか?」

子供たちの質問。

「こわいお話が、好きです」と、答えましたら、

「ええ~!ええ~!」と、どよめきの声。

私は、大きな模造紙にむかって、絵を描きます。

「♪お池がふたつありました。お池のなかには小石がふたつ。

ほらあなふたつ、くねくね道、とんがり山に~」

ここまで来たら、「おに~!おに~!」

あっというまにネタばれ、とほほ。。。

1

かわいい子鬼さんを描いて、喜ばそうともくろんでおりましたのに、

以外にも反応は「こわくないぞ~!こわくないぞ~!」

仕方がないので、子供たちのリクエストを聞いてみます。

Photo

これなら、「こわい?」

2_2 

「こわくないぞ~!こわくないぞ~! 」

1_5

「これなら、こわい?」

3

「こわくないぞ~!こわくないぞ~!」の大合唱。

Photo_4

ぷりん先生「まいりました」玉砕。。。

気分をかえて、童謡と昔話のアニメの上映会。

Photo_3 「証城寺のたぬき囃子」映像 柴山知久 絵 水野ぷりん

2_3 『巨人男 竜男 白鳥男」

協力 小澤俊夫 制作ワイズ、ジェイピー 

演出 柴山知久 絵 水野ぷりん 声 飯島晶子

Photo_5 プレゼントのお面をかぶる柴山氏

お別れの時間です。

「楽しかったよ。また遊びにきてね」の声に泣きそうでした。

2_4

園の先生方に助けられた会でした。

日頃のご指導の賜物を見せていただきました。

すばらしい子供たちのふれあえたこと、

感謝いたします。

Photo_6

2_5 

| | コメント (8) | トラックバック (0)

2009年6月19日 (金)

絵本原画展「久我山幼稚園」その2

Photo

子供たちから、レイとクラスごとにまとめた「画集」

をいただきました。

その絵がとてもすばらしいので、今日はそのご紹介です。

絵は私の絵本を題材に、各自好きな場面を描いたもの。

ほんの一部で残念ですが、私の絵と一緒に、ごらんください。

●ひかりのくに「豆まきえいやあ」から

1_2

鬼の行列の後方、おかあさんと子供の鬼が気になって仕方ない?

2

ストーリと関係ない「金魚」の絵がとても多かったです。

子供というのは、自分の好きなものを探しだすのが、ほんとうに上手です。

●学研「むらをすくったおに」から

Photo_2

鬼の大きさにびっくりする子、鬼よりも、山とか鳥とか気になって

そこから、花やにじが生まれています。

●すずき出版「きんいろのライオン」から

Photo_3

ライオンが鹿を組み敷いている絵、草原をかける絵が人気。弓矢にも興味があるようす。

●PHP研究所「かさじぞう」から

Photo_4

てぬぐいをかぶった小さなお地蔵さんがいちばん多かったものの

以外にも、ねずみや家の中を描いた子もたくさん。

雪の多さにびっくりした子も?

●そして、子供たちからこんな質問がでました。

Photo_5

そこで私は。。。。。(つづく)

| | コメント (4) | トラックバック (1)

2009年6月18日 (木)

絵本原画展「久我山幼稚園」その1

絵本原画展は6月15日、久我山幼稚園に移動。

16日に「お話会とサイン会」に行ってまいりました。

今回はなんとか、晴れてくれています。

空を見て「日頃の行いがよろしいのね」と

おっしゃってくださる大先生と園長の野上秀子先生。

緊張がほぐれてゆきます。

Photo きっりとした大きな目でらっしゃいます

園の入り口には、子供たちが歓迎の

飾りつけをしてくれてました。

Photo_2

Photo_3 ぷりん絵本コーナーです。

このかわいい鬼の子や子供は、わたしの絵を

再現してつくってくれているのです。

Photo_4 ひかりのくに2月号「豆まきえいやぁ」の一場面

ね、そっくり。似てますでしょう。嬉しいですし、

上手なのに感心してしまいますね。

●●●

こちらの幼稚園には、、お茶室のほかに「海賊の部屋」という

世界の民芸玩具を集めたお部屋があるのですよ。

ちょっと、拝見。

1

2 まるで、おもちゃ箱をひっくりかえしたようですね。

世界の文化に幼いころから触れて、想像力をはぐくむのも

久我山幼稚園さんの教育方針です。

●●●

さて、控えのお部屋で一休みしてまもなく、

4人の子供たちが、お迎えにきてくれました。

「今日は、ありがとうございます」

声をそろえて、お辞儀。

お行儀のよいことです。

さあ、子供たちの手に引かれて会場へ。

1_2 会場は熱気でむんむん?

Photo_5舞台の飾りつけは、かさじぞう。

続きは、お写真が届いたら。。。

今回は思わぬ展開?お楽しみに!

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2009年6月15日 (月)

「酒呑童子」を唄う

以前カテゴリー「絵の話」で書きましたが

酒呑童子のお話は、絵の題材として、好きなテーマです。

「不憫な酒呑童子」前編

「不憫な酒呑童子」後編

こちらを、「詩」に落とし込んでみたいと思います。

「杯の夢」

幼いおまえが 鬼となる

わけは どこに あったのか

うばった宝に かこまれて

うばった姫を 食べるのは

母が 憎しと 思ってか

おおさかずきを かたむけて

こくり こくり 夢の先

1

おおくび 斬られ とんでゆく

夢の続きを 供にして

なくした心を さがしてる

わすれた唄を 数えてる

母が 恋しと 泣いている

おおさかずきを かたむけて

うつら うつら 母のひざ

うつら うつら 眉の月

2

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2009年6月13日 (土)

「お坊さんと白い牛」を唄う

新しいカテゴリー「おはなしを唄う」を設置いたしました。

こちらでは、「百物語」のなかで書いたお話を

「詩」?「童謡」?といったものに落とし込む作業を

試作してゆきたいと思います。

読んでくださった方は、思い出していただき、

読まれていない方は、お話と一緒に

楽しんでくださったら嬉しく存じます。

では、4月 最初に書きました

宇治拾遺物語「お坊さんと白い牛」の前編と

後編から

「岩になったお坊さん」

ふかい ふかい 山おくで

しろい うしに 会いました

しろい うしは しろい尻

しろい おっぽが

ゆうらり ゆうらり

きれいな きれいな 花園で

あかい 花を 食べました

しろい うしは しろい尻

おなかが ふくれて

ふうらり ふうらり

見ては いけない うしでした

食べては いけない 花でした

だれも 知らない 洞窟で

わたしは 岩に なりました

虫が 泣いて くれましょか

花が 咲いて くれましょか

雨が わたしを 清めましょ

Bosan7_2

http://pulinblog.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-618d.html

| | コメント (9) | トラックバック (0)

2009年6月11日 (木)

水無月

今日は、月いち連載、カテゴリー「monthly紋様」です。

こちらでは、私が着てみたい季節の着物をデザインしております

紫陽花が道沿いにあふれる季節。

こんもりまぁるい花は、重たげです。

それはどこか、まだ慣れぬ丸髷に

首をたれているご新造さんのようです。

雨にぬれると、そんな艶っぽさが

落ち着いて、しっとりした様子です。

そんな西洋あじさいに比べると、「がく紫陽花」は一見地味に見えます。

でも、わたしは、どちらかといえば、こちらのほうが、好きなのです。

ほっそりとした軽いからだの背筋をしゃんと伸ばしたような、

少し小生意気な生娘のように見えます。

小さな「花」と、花びらのような「がく」がしっかり分かれているさまは、

凛として見えるようですが、そのすきまに、あやうくもろいものを感じます。

分かれているさまが、「恋」を少し感じて、

親に少し「秘密」ができてしまった頃のなんとも頼りない娘に見えるのです。

「結いわた」という嫁入り前の娘が結う髷を二つに割った

髪型があります。

「ふたごころ」を意味するものでしょうか?

2_3

さてさて、お着物の話。雨ともなれば、裾のよごれなど

気になっていっそうめんどうになるもの。

さりとて、この時期、アセテートの雨ゴートはむれて暑いものです。

そんなとき、私がよく着るのが「ポーラ」というサマーウールです。

シャリ感もあり、ちょっと見ると、夏紬のようなので、

お太鼓をしめても、ちっとも、おかしくありません。

安価で、洗濯機の「手洗いコース」で洗えます。

このポーラに、アセテートの雨ゴートの反物を「羽織」に

仕立てて、軽い雨具としています。

今月の着物は、雨を連想させるような大きな矢絣を

紫陽花色の地に透かしてみました。

帯は「てるてる坊主」。

使命をはたせなかった てるてる坊主はしょげています。

五線譜の音符になって、「ぴっちゃり、ポッチャリ」

ごめんなさいを唄ってます。

こんなてるてる坊主さんだったら、許してあげたくなりますね。

雨の日のおでかけだって、着物が楽しめそうです。

Photo_2

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2009年6月 9日 (火)

絵本原画展「西鎌倉幼稚園」後編

さて、お歌がすんで、前へ進み出る何人かの子供たち。

歓迎のプレゼントをくださるとのこと。

「何かしら?」と思っておりましたら。。。

なんと、「かさじぞうセット」!?

Photo 細部にもこだわった究極のデザイン

「ぷりん」だから、プリン色のかさ。(前回のお写真はこれでした)

ふちにも小さなプリンをあしらって、ひらひらゆれる様は、

まるで中国の王様?

りっぱな蓑も、プリン色。まばゆいばかり。

「お地蔵さま」まで、つるされて、ありがたさいっぱい。

これをまとえば、民たちは、思わず手をあわせたくなりましょう。

もひとつ、おまけに「うちわ」

Photo_2 左がうちわ。右が「かさじぞう」の一場面

Photo_3 左がうちわ。右が「きんいろのライオン」の一場面

ぷりん先生の絵をみごとに、ちぎり絵で再現。

並の職人技?とは思えません。

これで、あおげば、どんな望みのものでも出てきそうです。

すっかりかさじぞうになったぷりん先生。

「似合う?」と問えば、「おお!」とどよめく会場!

すっかり感じ入っている?子供たちに

ぷりん先生は「のぞみの絵」を描いてあげることにしました。

Photo_4

「金色のライオン」は何たべる?どんなお友達をつくろうか?

「かさじぞう」のお宝はなんにする?たずねると、

「はい!」「はい!」「はい!」と会場いっぱいに元気な声。

「肉!」「メロン!」「お金!」「りんご!」

みんな口々に叫ぶので、もう何がなんだかわかりません。

2

ほんと、「お池の鯉」状態でした。

ひたすら、「のぞみの絵」を描くぷりん先生は、もはや

子供たちの下僕(笑)です。

Photo_5情けない絵。。。

そして、こんどは、アニメの上映

フランダース地方の昔話で、「巨人男、竜男、白鳥男」

という冒険ものです。

1 協力 小澤俊夫 制作 ワイズジェイピー

                       演出 柴山知久 絵 水野ぷりん 声 飯島晶子

あれだけ、大きな声だしたあとですから、集中できるかなぁ、と

心配したのですが、15分、みごとちゃんと見てくれました。

よかった!よかった!

そして、退場する子供たちと、握手やら、手をふってお別れ。

なにやら胸いっぱいでした。

子供たちの純真さに心洗われ、限りないパワーには圧倒された時間でした。

素直に楽しんでくれて、ありがとう。ぷりん先生はほんとうに嬉しかったです。

園の先生方が事前に本を読ませてくださっていたので、大変やりやすかったのだと

思います。光葉先生、助けてくださって感謝です。

このあと、お母様方とのお話、サイン会と続きましたが、長くなったので

今回はここまで。と、します。

さいごにいただいたお花を飾って、ご報告、おしまい。

Photo_6

| | コメント (10) | トラックバック (0)

2009年6月 7日 (日)

絵本原画展「西鎌倉幼稚園」(前編)

6月5日(金)西鎌倉幼稚園にいってまいりました。

あいにくの小雨。でも、緑ゆたかなしっとりしたたたずまいの

この町には、雨が似合います。新緑がいっそうみずみずしい。

坂をのぼってゆくと、青い園舎の屋根が見えてきました。

白いアーチの柱のむこうから、わぁわぁとはしゃぐ声が聞こえます。

こちらは、昭和45年に創立の伝統ある幼稚園。園児は300人以上。

まず、通されたお茶室には、「わかばの風」とかかれたお軸。

おお先生と呼ばれる創立者の野上澄江先生が、お書きになったとか。

茶道を通して、日本人としての感性と、しとやかでしなやかな心を

育てるのも、こちらの教育方針です。

窓からは、びわの実がたわわにゆれるのが見えます。

それをしきりに「だれか、採って」とおっしゃる大先生。

90歳を超えるとおっしゃるのに、目も耳も足もお達者で

いたずらっ子のようなお顔をされています。

となりにいる福田光葉園長先生が「はいはい。」と応じています。

光葉先生は大先生のお孫さん。

ふたりの会話はなんだか、ほほえましいです。

Mituha お顔立ちのよく似たおふたり

一服ちょうだいしてから、さていよいよ、原画展会場へ。

50枚ほど、用意した絵が小さく見えるほど、広い講堂です。

そこいっぱい、ぎゅうぎゅうにおすわりしている子供たち。

1 ちょこっと緊張気味のこどもたち

2 わたしもちょこっと、緊張ぎみ

まずは、子供たちの歌からはじまりました。

気をつけをして、口をいっぱいにあけて、

園歌を歌う子供たち。まるで、お池の鯉のよう。(笑)

わたしの構えていた心はほぐれていきました。

そして、そのあと。。。

Kasa_2  さて、これは何でしょう?

(つづく)

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2009年6月 3日 (水)

「水野ぷりん絵本原画展」

来る6月5日(金)から6月19日(金)まで、

西鎌倉幼稚園と久我山幼稚園にて

「水野ぷりん絵本原画展」を開きます。

「きんいろのライオン」「かさじぞう」「たのきゅう」

といった昔話の絵を中心に「現代童話」の絵も含めて、

全部で45点ぐらいの展示となります。

園児や保護者、園関係者、出版社と

限られた方への公開なのが、少し残念ですが。

Photo 案内状

心落ち着かないのは、「お話会とサイン会」があること。

私は「不肖の不詳で、出不精」の絵描き。

お母様方の前で、なにをお話してよいやら。。。

しかも、子供を生んでいないので、幼子とふれあっていない日常。

どうなることやら、心配で、母の声を聞きたくなり、久しぶりに電話。

そして、私の幼稚園時代の話を聞いてみました。

私は4月生まれ。ですから、入園を同じくした子供たちの中では

しっかりとした子供。園の生活にもすぐ慣れたようで、

園の門が見えると、親を振り切って走り出す。あっというまにお教室に

はいってしまい、母はシスターにろくろくご挨拶もできなかった(苦笑)とか。

水たまりを見れば飛び、手すりを見ればすべり、広いところに出れば駆け出す。

ほんとうに子供らしい子供だったようです。

お友達からは「みかんジュース、みかんジュース」(本名は「みか」なのです)

と、よくからかわれたものの、にこにこしていたとか。

Photo_2 5歳の私

そんな母の話を聞いているうち、つらつらと

思い出してまいりました。

仲良しだった「きみこちゃん」のおうちでいただいたハトサブレ。

「まゆみちゃん」と引っ張った、おいも。なんとなく好きだった「こうくん」。

わんぱくだったのに泣き虫の「だいちゃん」とは、

ケーキ家さんごっこをしましたっけ。

「おとまり保育」「花笠音頭」「太鼓とトライアングルの合奏」。。。

楽しかったことは、今でもぼんやり覚えているのですね。

あっ。。なんとなく、明るい気持ちになってきたわ。

この「原画展」も、子供たちに「楽しかったような、なにか驚いたような」

といった思い出として、残ってくれたらいいなぁ。と祈るばかり。。。です。

Photo_3年長さんのときの絵

では、ご報告は次の記事で。

| | コメント (20) | トラックバック (0)

2009年6月 2日 (火)

山形の伝説「あこや姫」(最終回)

「おいたわしい貴方。

わたしは、つらくてなりません。

されど、貴方が橋の礎となり、国の人たちの

救いになってくださるのならば、

覚悟いたします。

お別れいたしましょう。さようなら」

姫は手にした縄で、松をさとすように

やさしく打ちました。

すると、かさりと、枝がゆれ、

樹は、まるで、水に浮かせたかのように

するする、するすると動き出しました。

8

姫は、松になにやらささやきながら、

縄をあやつります。

松は、励ましにこたえるように進みます。

こうして、ふたりは、険しい山道を越えてゆきました。

この峠は「ささやき峠」と呼ばれるようになり、

今の「笹谷峠」となりました。

名取川にりっぱな橋がかかると、

あこや姫は、切られた松のあとに、

松の苗を植えました。

そして、、髪をおろし、そばに小さな庵を建て、

一生をおえたということです。

9

松のとなりにお墓をたててほしいと

言い残したあこや姫。

「阿古耶の松」と呼ばれるようになった

この松は、今でも、お墓を守るように

枝を広げています。

月がきれいな夜には、琴と笛の音が

聞こえるとか、聞こえないとか。。。

        (おしまい

私が、このお話で考えさせられたのは、「大義」というもの。

あこや姫は己としてはいちばんつらい「夫との別れ」を

「人のため」に断ち切りました。迷う夫に犠牲になることを

すすめました。私事というのは「小事」であるという決断でしょう。

されど、尼になって夫の菩提を弔うことで

「夫婦の契りの約束」をつらぬきました。

りっぱな女性だと思います。

美しい月夜の「静の場面」と大樹の「動の画面」

の対比がドラマティックで、絵にしやすいところも

魅力的なお話です。

10

| | コメント (8) | トラックバック (0)

« 2009年5月 | トップページ | 2009年7月 »