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2009年5月31日 (日)

山形の伝説「あこや姫」(第三回)

あくる日、千歳山の松の樹のまわりを

おおぜいのきこりたちが、かこみました。

松はたちまち切り倒されました。

「やれやれ、この樹ならば、

りっぱな橋になってくれるだろう」

みごとな大木を手にいれて、みんな嬉しそうです。

そのころ、名取川は暴れ川でした。

嵐になるたび水があふれ、

いくら橋をかけても流れてしまいます。

国の人たちは、がんじょうな橋が

ほしいと思っていたのでした。

5_2 

さて、樹を運ぼうと、きこりたちは

松にぐるぐると縄を巻きつけました。

そして「よいさぁ!」 かけごえをかけて、

いっせいに引っ張りました。

ところがどうしたことか?松は少しも動きません。

村人たちも応援にかけつけましたが、

押しても引いても、まったく動きません。

6

そこへ、あこや姫がやってきました。

昨夜の夫のことばを 確かめに来たのです。

そして、切り倒された松を見て、

それがほんとうであったことを知りました。

樹にかけより、すがって長いこと泣いておりました。

しかし、やがて、すくと 立ちあがると、

松を巻いた縄を持ち、

あこや姫は、静かに言いました。

7 (つづく)

          

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