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2009年5月20日 (水)

薪能「清経」を見にゆく(前半)

神田明神に薪能を見に行った。

今宵の演目は「清経」

清経は平清盛の孫。源氏に追われ、九州まで

都落ちしたとき、世をはかなんで、入水自殺。

形見として、鬢(びん)の黒髪をのこします。

しかし、妻はこれを手元に置くことを拒否。

九州へ送り返してしまいます。

Kiyotsune1

そこで、清経は亡霊となって妻の夢枕に出現。

「いとしい妻よ、清経がまいりましたよ。

それにしても、どうして、形見を受け取ってくれないのです。」

すると、妻。

「それは、思いあまってのこと。

お形見を見れば、悲しさがつのるばかりですからね。

それにあなたこそ、なぜ、わざわざ自ら死んだのですか?

まだ、負けが決まったわけでもなし。

せめて、討ち死とか、病死とかなら

あきらめもつきましょうに、

自殺とは、ひどいではありませんか?

私と連れ添うと約束したのはうそだったの。

キーッツ!」

ごもっとも。私はシテよりツレ、

つい妻の気持ちになって見ておりました。

しかし、清経は、

「お参りしたら、神さまが、平家は

滅亡するしかないと言ったのだ。

ならば、未練がましく、浮き草のように

さまよって、どうするのだ。

これ以上みじめな思いをするより、

美しく死にたかったのだ」

と言うのです。

あんまりです。残された妻はどうすればいいのでしょう。

殿方は「大義」や「美学」でご満足なさっても、

一途に夫を慕ってきた妻の気持ちは

おきざりにされています。

私の脳裏に歌が浮かんでまいりました。

♪男と女のあいだには~深くて暗い川がある~

Kiyotsune2

                   (つづく)

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4日々徒然」カテゴリの記事

コメント

ぷりんちゃん、随分古い歌をご存知で・・・。

いろんなところに渡れない川がありすぎな私。
ちょっと疲れているわいな~。

投稿: 猫の手 | 2009年5月20日 (水) 17時58分

typhoonまぁ、どうしたのでしょう?
チャトちゃんも幸せになったので、野球観戦なぞして
息抜きされていたのでは?
♪えんやこら、どっこい、舟をだして、川をわたって
いきましょうぞ!

投稿: ぷりん | 2009年5月20日 (水) 18時25分

なるほど・・・平氏追討は源氏の棟梁の頼朝だったけど、実際に戦ったのはほとんどが平氏の出の千葉、北条などの坂東武者だった。清盛はおいしいとこだけ持って行って、最後は死んで残った敦盛とか、清経とかが苦労をして元々の同属の平氏にやられた。と、なんともせつないなぁー とこでその清経は能でも化粧しているの?

投稿: GAMA | 2009年5月21日 (木) 19時32分

crying実際の舞台では、清経も妻も能面で
舞っておりますよ。
ですから、添えている挿絵は、舞台を見ながら、
わたしが、想像した場面の絵です。
能は象徴の芸術なので、自分の絵に仕立て直すおもしろさがあります。
「敦盛」といい、「清経」といい、平家一門には
風雅な人が多いですね。それで、いっそう滅んださまが
あわれで、古来より、クリエータの感性を刺激してしまうのよね。

投稿: ぷりん | 2009年5月22日 (金) 09時29分

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