« 芙蓉の花を読む人 | トップページ | 山形の伝説「あこや姫」第二回 »

2009年5月27日 (水)

山形の伝説「あこや姫」(第一回)

今回は、山形県の千歳山にまつわる

美しく悲しい伝説をひとつ。。。

むかしー都が奈良にあったころのお話です。

出羽の国千歳山のふもとに住む藤原豊充という人に

それは美しい姫がおりました。

名前をあこや姫といいます。

姫は歌も上手に詠みましたし、琴もすばらしく奏でます。

お稽古がすむと、千歳山にある大きな松の樹の下で

花をつむのが、大好きなやさしい姫でした。

1

ある春の夜のこと。

あこや姫は琴を弾いておりました。

きれいな月夜でしたので、御簾を上げて

からだを少し 簀子にだしておりました。

すると、どこからか笛の音が聞こえてまいります。

そのみごとな音色は、どうやら琴の音に合わせているようす。

姫がかきならせば、笛の音も高く、

姫がそっと爪弾けば、笛の音の低く寄り添ってまいります。

やがて、琴の音と笛の音は、心をひとつにして、

合奏をはじめました。月もうっとりするような

みやびやかで、清らかな調べが流れてゆきます。

「どなたであろう?」

姫が手をとめて、顔をあげますと、

庭石のそばに若者らしき人影がちらり。

でも、その姿はふっと、かき消えてしまいました。

2

       (つづく)

|

« 芙蓉の花を読む人 | トップページ | 山形の伝説「あこや姫」第二回 »

5百物語」カテゴリの記事

コメント

琴と笛、出羽、陸奥は当時日本の金の産出国で荘園制度が地方まで確立されていないからその金はいわば日本の経済の基幹だった。だから都からそうとう保護されたし、みやこびと も頻繁に来た、ので京以外で一番の風流な国は実は出羽、陸奥だった。ので琴も笛もよくたしなんでいた・・・・らしい、と昔NHKの特番でやってた・・・・かき消えた若者は本当はなにかの精なの?

投稿: GAMA | 2009年5月28日 (木) 17時16分

moon1若者は何ものでしょう?
それは、「第2回」で、あきらかになります。
それからが、ドラマです。
このお話は、「琴と笛と月夜」と、とても
アイテムがとても、ロマンテッックですがテーマは「義」です。
楽しみにしていてくださいね。

投稿: ぷりん | 2009年5月28日 (木) 21時02分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1204961/29814858

この記事へのトラックバック一覧です: 山形の伝説「あこや姫」(第一回):

« 芙蓉の花を読む人 | トップページ | 山形の伝説「あこや姫」第二回 »