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2009年4月

2009年4月29日 (水)

蘭の花咲く

胡蝶蘭の花が盛りになった。

この花は、5年前個展を開いたとき、

いただいたものだ。

あれから毎年この時期になると、

花を咲かせてくれる。

ベランダに出したまま、世話もろくろく

していないのに、毎年たくましくなって

いくよう。今年は3連もつらなって

誇らしげに競っている。

この鉢の土の下で、金魚が眠っている。

昨年の夏、 四匹買って来たうちの一匹。

名前は「初」と言った。

1月、水槽の水替えをした翌日に

弱り、数日して死んでしまった。

残った3匹のなかで、いちばん大きく

ふとってきたのは、「江与」、次が「ふく」

そしてひとまわり小さい子が「茶々」。

死んでしまった「初」は少しも

大きくならない子だった。

でも、尾ひれは、他の子たちより幅広で、

泳いでいるさまは、扇がひらひらと

舞っているようで、いちばん可憐だった。

気性もいちばん、人なつっこかった。

かわいそうなことをしたと思う。

水替えが不首尾だったのだろうが、

名前も悪かったのかしら。。。と思う。

蘭の桃色の花びらが、風にゆれると、

初が笑っているように見える。

Ran

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2009年4月27日 (月)

不憫な酒呑童子(後半)

されど、母は恋しいもの。

おもかげ求めて、ついつい

美女をさらってしまう。

「母の顔」を想像しながら、

美女をながめて、呑んでみる。

そのうち酔いがまわってきた。

ああ、でもおのれをこんな境遇にした、

母はやっぱり憎い。

彼の頭のなかは酔いと愛憎で

ぐるぐると、うずまく。

で、「ええい、ままよ」と、

彼は迷いを断ち切るように

美女を食べるようになったのでした。

と考えると、あんな殺され方をしたのが、

かわいそう。と思ってしまうのです。

ちょっとぐらい、身の上を聞いて

やりたかったものです。

おおさかずきをかたむけて、こくりこくり。。

彼はどんな夢を見ていたのでしょう?

母のひざにだかれている夢かも知れません。

どこか甘えん坊の

鬼の顔を描いてみました。

Douji2_2

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2009年4月25日 (土)

不憫な酒呑童子(前半)

私の絵のテーマのひとつに「鬼」があります。

なかでも「酒呑童子」は好きで、よく描く

題材です。

大江山に住んでいて、夜な夜な京の都に降りては、

美女をさらって食べていた酒呑童子くん。

恐れ嘆く都人を助けようと、源頼光主従が立ちあがります。

山伏姿に化けて、眠り薬のはいったお酒を彼にのませ、

寝ているすきに首を討ち取ってしまいました。めでたし!

と、いうお話ですが、なんだか、それはだまし討ち。

どこか、卑怯な気がします。

「頼光よ、侍らしく、堂々と名乗りをあげてから、

戦ってもよかったのではないか?!」

と、わたしは、少々、鬼のほうに同情的なのです。

彼は「童子」と名が付いているように、

子供らしいちょっと長めのおかっぱで、

赤い袴をはいていたそうな。

そんな姿なのになぜ「鬼」なのか?

いろいろな説があるようですが、

わたしは、絵にしますとき(自説として)

こんなふうに、考えてみました。

もしかしたら彼は不義の子で、幼いころ、

大江山に捨てられたのかも知れない。

おのれを捨てた母憎さで、子供の姿のまま

「鬼」に変化したのかも。

             つづく

Douji1_3

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2009年4月23日 (木)

「宇治拾遺物語~お坊さんと白い牛」(後編)

きょろきょろと、あたりを見回すと、

牛が、洞窟へもどっていくのが見えました。

お坊さんは、あわてて追いかけます。

ところが、そのうち、からだが岩壁につかえてきました。

こすれたり、ひっかかったりで、進めません。

牛はとっとこ、先をゆき、やがて見えなくなりました。

洞窟がせまくなったのでは、ありませんでした。

なんと、お坊さんのからだがどんどん、

どんどん大きくなっていくのです。

立っていられなくなったお坊さん。

ずりずり、ずりずり、はって進みます。

Bosan5_3

ようやく、出口。

頭はどうにか抜けでましたが、からだは、はさまれて動けません。

「助けてくれ~!」叫んでも、闇に声がこだまするばかり。

Bosan4_3 

あるひ、村人が洞窟のまえを通りました。

どうしたことか? 洞窟は人の頭の形をした

大きな岩でふさがれていたということです。

                 (おしまい)

「行きは良い良い、帰りはこわい」のが、異界の掟ですが、

これは、絵画的にとてもきれいで、ドラマチックです。

牛は白く、洞窟は黒く、花は赤い。くっきりシンプルです。

そして、牛は神聖。洞窟は神秘。花は美。。。。だったはずものが、

牛は悪性なもの?洞窟は恐いもの?花は毒あるもの?に変わっていく。

この対比が、「からだの膨張」というシュールさに

「凄みの歯車」をかけていくようです。

いつか、絵本か映像にしてみたいぁと思っているお話でした。

Bosan6_3

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2009年4月22日 (水)

「宇治拾遺物語~お坊さんと白い牛」(前編)

私は、ふしぎ話が好きなのですが、

「宇治拾遺物語」から、ひとつ、お話を。。

道に迷ってしまった旅のお坊さんが、

牛に出会います。みごとな白い牛です。

牛のあとについていけば、里に行けるかも。

お坊さんは牛のあとを追いかけていきました。

Bosan1_8

すると、牛は洞窟にはいってゆきます。

暗くて、深い洞窟。

牛の白いお尻を頼りにようやく洞窟を抜けると、

そこはなんと、一面の花畑。

牛が花を食べはじめたので、

お坊さんも食べてみますと、

そのまぁ、おいしいこと。おいしいこと。

お坊さんは、夢中。

次々と花をくちにほうりこみます

Bosan2_6

おなかがいっぱいになって、我にかえると、

「はて?」牛がいません。

              つづく

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2009年4月19日 (日)

卯月

わたしが、ああ、春だなぁと感じるひとつに
「素足になって、下駄をはくこと」があります。
着物は好きで毎日着ているのですが、
実は足袋はあまり好きではないのです。
足袋は、小さめが容子良し、とされているのですが、
すると、こはぜがカチカチ、きゅうくつです。
ですから、少しあたたかくなると、すぐ
素足になってしまいます。
下駄のひんやりした感触が伝わってきて、
「水ぬるむ」といった気持ちになります。
そして、きものは、やはり軽いふんわりした
色合いのものをまといたくなりますね。
これから、ひとつきに一回、自身が「着てみたいなぁ」
という着物の柄をデザインしてみようと思います。
今月は、桜をさしこんだ縞。縞はカジュアルなので、
ちょっとしたおでかけに便利です。
市松の帯は、合わせやすいので、「お助け帯」になります。
帯締めの赤をきかせ色にして、少しかわいらしく。
花笑みのころの、そぞろ歩きに。

Ugetsu

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2009年4月17日 (金)

はじめまして

はじめまして。
私は、東京の市谷のとある
マンションに住んでおります。
猫も2匹、同居しております。
お姉さんは推定17歳、「くーちゃん」。
義理の妹は推定4歳、「うずらちゃん」。

ある日、うずらちゃんが、言いました。
「くーねぇさん、おかぁちゃんって
いっつも、お机の前にいるねぇ、何してるの?」
「絵ってもんを、描いてるそうな」
「それって、おいしい?」
「食べられるものじゃないさね」
「ふうん」うずらちゃんは思います。
「つまらないなぁ」首をかしげるうずらちゃんに
くーねえさんは言いました。
「まぁ、ちいとはお聞き。おかぁちゃんは、
あたしらの食い扶持をかせいでくださる方なんぞ。
いろいろお考えもあろうに」
と、いうことで、ふたりは、
おかぁちゃんのお話にきき耳頭巾をたてました。
と、水槽の金魚たちが、パシャリ。
はねあがって逃げました。

   つづく
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